企業が電力会社を選ぶ際は、再エネ電気(再生可能エネルギー由来電力)や環境価値(非化石証書/グリーン電力証書/J-クレジット)を提供している新電力会社を選ぶのがおすすめです。
世界中で脱炭素社会へ向けたさまざまな取り組みが推進されており、もちろん日本も例外ではありません。企業が再エネ電気メニューを選ぶことで、電力由来の二酸化炭素(CO2)を削減できる他、環境に配慮している企業であることをアピールできる、融資を受けやすくなる可能性があるなどのメリットがあります。
本記事では、再エネ電気や環境価値を提供しているおすすめの新電力会社5社をご紹介します。これから脱炭素経営に取り組もうと考えている、あるいは取り組み始めているという企業のご担当者さまは、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事の情報は、2024年10月時点のものです
伊藤忠エネクスは1961年に設立された伊藤忠グループのエネルギー総合商社で、石油製品・LPガスを中心に、さまざまなエネルギーを全国各地へ供給しています。電力事業においては、電力小売のみならず発電も行っている他、環境価値の調達や自家消費型太陽光発電システムの提供など、脱炭素社会に向けた取り組みも積極的に行っています。
伊藤忠エネクスの電源構成は以下の通りです。
※参考:伊藤忠エネクス株式会社.「当社の電源構成・非化石証書使用状況(2022年度実績値・2023年度計画値)」.https://www.itcenex.com/ja/business/detail/power-retailing/mp9tgh0000001f1a-att/t80pff0000007wu5.pdf ,(2024-09-13).
伊藤忠エネクスの再エネ電気メニューは、以下の通りです。
再エネ電気メニュー | 特徴 |
環境メニュー | 電力提供とトラッキング付きFIT非化石証書を組み合わせて、使用する電力を実質的に100%再生可能エネルギーにできるメニュー |
環境価値オプション | 電力購入とは別に、必要な分の環境価値を調達するサービス |
オフサイトPPA | 需要家の敷地外に設置されているPPA事業者所有の太陽光発電システムで発電された電気を、送電網を通して供給するメニュー |
伊藤忠エネクスには環境メニュー・環境価値オプション・オフサイトPPAの、3つの再エネ電気メニューがあります。
環境メニューは、電力提供に非化石証書を組み合わせることで、提供する電気を実質100%再生可能エネルギーとするメニューです。
ちなみに非化石証書とは、非化石電源から発電された電気が持つ「発電時に、二酸化炭素を排出しない環境に優しい方法で作られた電気である」という付加価値を、売買できるように証書化したものです。
もう一つの環境価値オプションは、伊藤忠エネクスからの電力購入有無にかかわらず、環境価値の調達のみを行うサービスです。環境価値オプションであればどの小売電気事業者から供給された電気に対しても非化石証書を調達できるため、個別に電力契約を切り替えることができないテナント店舗や短期間のみ使用する施設、工事現場などであっても再エネ化を実現できます。また年度途中で他の小売電気事業者から伊藤忠エネクスに乗り換えた場合に、契約開始以前の電気に対しての環境価値を購入することも可能です。
なお伊藤忠エネクスでは、どこでどのような方法で発電されたのかを追跡でき、RE100にも活用できる、トラッキング付きの非化石証書を調達できます。
最後のオフサイトPPAは、遠隔地に設置されたPPA事業者の太陽光発電システムで発電された電気を、送電網を通して供給するサービスです。太陽光発電に適した屋根や土地がない場合でも、太陽光発電を取り入れることができます。
貴社の状況や解決したい課題、脱炭素経営への取り組み度合いなどに応じて、適切なサービスをご提案いたしますので、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
伊藤忠エネクスの脱炭素ソリューションは、以下の通りです。
脱炭素ソリューション | 特徴 |
TERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム) | 初期費用0円で自家消費型太陽光発電システムを設置できるサービス |
省エネルギー商材 斡旋サービス | 月額サービス料のみで省エネ機器(LED照明・空調機器)を導入できるサービス |
Ai-Glies | 空調設備に特化したデマンドコントローラー |
クリーンエネルギーの供給 | GTL(Gas to Liquids)燃料やRD(Renewable Diesel)などの次世代エネルギーを供給 |
「TERASELソーラー」は、貴社が保有している施設に太陽光発電システムを設置して自家消費いただくサービスです。費用のお支払い方法は、定額のエネルギーサービス料をお支払いいただく「エネルギーサービス」と、自家消費した電気量×固定単価をお支払いいただく従量払いの「PPA」の2種類がありますが、どちらのお支払い方法でも初期費用はかかりません。
他にも、月額サービス料のみで最新のLED照明設備や空調設備に切り替えられる省エネルギー商材 斡旋サービスや、CO2の排出量が少ないGTL燃料やRDといった次世代燃料の供給なども行っており、電気のみならず、さまざまな角度から企業の脱炭素経営に貢献できます。
伊藤忠エネクスの会社概要は以下の通りです。
会社名 | 伊藤忠エネクス株式会社 |
本社所在地 | 〒100-6028 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 霞が関ビルディング27階~29階 |
設立 | 1961年1月28日 |
代表者 | 吉田 朋史 |
資本金 | 198億7,767万円 |
売上高 | 9,633億円(2023年度) |
株主 | 伊藤忠商事株式会社 53.97% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 7.02% 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 4.24% エネクスファンド 2.69% 日本生命保険相互会社 1.37% 伊藤忠エネクス従業員持株会 1.25% THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042 0.71% STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 0.68% STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 0.67% ニチレキ株式会社 0.56% (2024年3月31日現在) |
事業内容 | ガス関連事業 石油関連事業 電力関連事業 熱供給事業 環境関連事業 海外事業 |
コーポレートサイト | https://www.itcenex.com/ja/ https://service.itcenex.com/ |
丸紅新電力は、2011年1月21日に設立された丸紅の出資100%の子会社です。設立は2011年ですが、丸紅が電力小売事業に参入したのは電力自由化が始まった2000年です。約20年の間に培われたノウハウを駆使した、法人・一般家庭へ向けた電力の安定供給に加え、発電事業者からの再エネ電気の買い取りによって脱炭素社会を目指す取り組みも行っています。
丸紅新電力の電源構成は以下の通りです。
※参考:丸紅新電力株式会社.「当社の電源構成・非化石証書使用状況・CO2排出係数」.https://denki.marubeni.co.jp/company/feature/supply/ ,(2024-09-16).
丸紅新電力の再エネ電気メニューは、以下の通りです。
再エネ電気メニュー | 特徴 |
オフサイトCPPAサービス | ・発電事業者向け:最大で太陽光FIT単価以上(※)の価格で電力の長期買取が可能な発電事業者向けのサービス ※2023年度の太陽光FIT単価(10kW以上50kW未満)と丸紅新電力基準買電価格の対比 ・脱炭素経営を目指す企業向け:初期投資と発電用の土地なしで、実質的に再エネ100%を目指せるサービス |
M-ECO(エムエコ) | 環境配慮型電力の販売や卒FIT電力の買い取り、再エネ発電の活用支援など、計6つのメニューからなるサービス |
丸紅新電力では、発電事業者から再エネ電気を長期的に高単価で買い取るサービスを提供しています。買い取った電気は、脱炭素経営を目指す企業へ供給するため、長期にわたって安定的な買い取りが可能です。脱炭素経営を目指す企業側は、発電設備や発電用の土地を用意する必要がないため、初期費用0円で実質再エネ電気比率100%を実現できます。
また環境配慮型電力販売や卒FIT電力の買い取り、再エネ発電の活用支援など、計6つのメニューからなる「M-ECO(エムエコ)」という新しいサービスも提供されています。現在は、電力供給と環境価値を組み合わせて再エネ比率の向上やCO2排出量の低減をする「環境配慮型電力販売」と、Jクレジットや非化石証書を調達する「環境証書・クレジット仲介サービス」の2つのサービスが提供されています。
丸紅新電力の脱炭素ソリューションは、以下の通りです。
脱炭素ソリューション | 特徴 |
自社保有/オンサイトコーポレートPPA | 自家消費型太陽光発電システムを設置するサービス ・自社保有:初期投資は必要だが、発電した電力は保守費用を除き無料で利用できる ・オンサイトコーポレートPPA:初期投資ゼロで導入でき、電気使用量分のみ支払う(再エネ賦課金や託送料金、燃料費調整額の負担なし) |
E&E Air® | 空調機器の入れ替えなしに導入できる空調制御システム |
丸紅グループ・パートナー企業では、太陽光発電システムの自己保有やオンサイトコーポレートPPAの提案が可能です。オンサイトコーポレートPPAの場合は、初期投資ゼロ、月々の電気料金の支払いのみで太陽光発電システムを導入できます。
また消費電力の割合が多い空調機器を独自のアルゴリズムで自動制御することで省エネを目指せる「E&E Air®」も提供しています。
丸紅新電力の会社概要は以下の通りです。
会社名 | 丸紅新電力株式会社 |
本社所在地 | 〒100-8088 東京都千代田区大手町一丁目4番2号 丸紅ビル |
設立 | 2011年1月21日 |
代表者 | 須田 彰 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 1,016億5,300万円(2023年) |
株主 | 丸紅株式会社 100% |
事業内容 | 電気の売買事業およびその代理、代行、仲介 インターネット接続サービス 省エネ機器販売 環境付加価値等の取引事業 電気等エネルギー利用に係る機械器具等の販売、リース、設置、運転及び保守事業 |
コーポレートサイト | https://denki.marubeni.co.jp/ |
株式会社U-POWERは、U-NEXT HOLDINGSの100%子会社として2021年12月に設立された新電力会社です。一般企業をはじめ、飲食・小売のチェーン店やホテルなどの法人需要家に対して、再エネ電気を中心とした電力を販売しています。
U-POWERの電源構成は以下の通りです。
※参考:株式会社U-POWER.「電源構成・非化石証書使用状況・CO2排出係数」.https://u-power.jp/power-supply/ ,(2024-09-16).
U-POWERの再エネ電気メニューは、以下の通りです。
再エネ電気メニュー | 特徴 |
【低圧】GREEN10 | 実質的に再エネ電気比率10%を目指せるお試しメニュー |
【低圧】GREEN50 | 実質的な再エネ電気比率50%を目指せるメニュー |
【低圧】GREEN100 | 実質的な再エネ電気比率100%を目指せるメニュー |
【高圧】GREEN10(市場連動型、ハイブリッド型、固定料金型) | 実質的な再エネ電気比率10%を目指せるお試しメニュー |
【高圧】GREEN100(市場連動型、ハイブリッド型、固定料金型) | 実質的な再エネ電気比率100%を目指せるメニュー |
U-POWERの再エネ電気メニューは、再エネ電気比率が明確に分かるシンプルなプランとなっています。電気使用量に対して、メニューで決められた割合分のFIT非化石証書を購入することで、実質的に再エネ電気の比率を高められる仕組みです。
低圧・高圧のどちらにも再エネ電気メニューがありますが、高圧の方は市場連動型・ハイブリッド型・固定料金型の3つの料金プランから選べます。
市場連動型プランは、日本卸電力取引所(JEPX)で調達した電力量に応じた手数料以外は、全て原価での支払いとなるプランです。市場価格に合わせて電気料金が変動するので、高騰した場合のリスクを伴いますが、電気の使い方によっては安価に抑えられるメリットがあります。ハイブリッド型プランは、JEPXの電力とU-POWERが独自に調達した電力を組み合わせることで、市場価格高騰によるリスクを抑えつつ、電気料金を安価に保てるプランです。また固定料金型は、その名の通り電気量料金の単価が固定されているプランで、市場価格の影響を受けないため、先々のコストを把握できます。
U-POWERの脱炭素ソリューションは、以下の通りです。
脱炭素ソリューション | 特徴 |
脱炭素コンサルティングサービス | ・脱炭素経営へ向けた取り組みをワンストップで支援するサービスScope1~3までの温室効果ガスの排出量の見える化 ・再エネ電気メニューとクレジット・非化石証書で特にScope2の温室効果ガスを削減 ・再エネ・省エネの導入支援など |
オンラインセミナー(不定期) | 脱炭素経営の進め方に関する無料オンラインセミナーを開催 |
U-POWERでは、脱炭素コンサルティングサービスを提供しています。脱炭素経営へ向けた取り組みを総合的に支援するサービスで、自社の現状から取り組むべき課題、解決方法まで提案してもらえます。
また不定期で開催しているオンラインセミナーも、U-POWERの脱炭素ソリューションの一つといえるでしょう。環境に配慮して事業活動をしたいものの、どのように取り組めばよいのか分からない方へ向けて、具体的な脱炭素経営の進め方を紹介しています。
株式会社U-POWERの会社概要は以下の通りです。
会社名 | 株式会社U-POWER |
本社所在地 | 〒141-0021 |
設立 | 2021年12月1日 |
代表者 | 高橋 信太郎 |
資本金 | 500万円 |
売上高 | – |
株主 | 株式会社U-NEXT HOLDINGS |
事業内容 | 電力事業 |
コーポレートサイト | https://u-power.jp/ |
エバーグリーン・マーケティングはイーレックスグループに属する新電力会社で、東京電力エナジーパートナーとの共同出資により2019年に設立されました。全国で5基のバイオマス発電所を運営しており、クリーンエネルギーを身近なものとして社会へ届けることを目標としています。
エバーグリーン・マーケティングの電源構成は以下の通りです。
※参考:エバーグリーン・マーケティング株式会社.「電源構成」.https://www.egmkt.co.jp/newsroom/powerconfig/ ,(2024-10-09).
エバーグリーン・マーケティングの再エネ電気メニューは、以下の通りです。
再エネ電気メニュー | 特徴 |
CO2フリープラン(エバーグリーンプラン) | 電力供給にトラッキング付き非化石証書などを組み合わせることで実質的に再エネ電気を提供し、CO2排出係数をゼロにするプラン |
非化石証書の調達代行サービス | 非化石証書を市場から調達してもらえるサービス |
エバーグリーン・マーケティングは、特別高圧・高圧の需要家へCO2フリープラン(エバーグリーンプラン)を提供しています。電力供給にトラッキング付き非化石証書などを組み合わせることで実質的に再エネ電気を提供するプランで、CO2排出係数をゼロにすることが可能です。オプションなので、シンプルプラン・完全固定料金プラン・市場連動型プラン・ハイブリッドプランのどのプランにも組み合わせられます。
また非化石証書の調達を代行するサービスも提供しており、現在の電気の契約を変えることなく、気軽に再エネ化・脱炭素経営に取り組むことができます。
エバーグリーン・マーケティングの脱炭素ソリューションは、以下の通りです。
脱炭素ソリューション | 特徴 |
デマンドレスポンス(DR)サービス | 要請に応じて、空調・照明・各種設備などの使用をコントロールし、電気使用量を抑制することで、電気料金の割引を受けられるサービス |
エバーグリーン・マーケティングでは、デマンドレスポンス(DR)サービスを提供しています。指定されたタイミングで、空調・照明・各種設備などの使用をコントロールして電気使用量を減らすことで、節電量に応じて電気料金の割引を受けることができます。省エネと電気料金の削減の両方を実現できる、一石二鳥の取り組みです。
エバーグリーン・マーケティングの会社概要は以下の通りです。
会社名 | エバーグリーン・マーケティング株式会社 |
本社所在地 | 〒104-0031 東京都中央区京橋二丁目2番1号 京橋エドグラン14階 |
設立 | 2019年3月29日 |
代表者 | 田中 稔道 |
資本金 | 5億円(2022年3月現在) |
売上高 | – |
株主 | イーレックス株式会社(66%) 東京電力エナジーパートナー株式会社(34%) |
事業内容 | 小売電気事業省エネルギー関連事業など |
コーポレートサイト | https://www.egmkt.co.jp/ |
エネットは、NTTアノードエナジー・東京ガス・大阪ガスの3社の出資により、電力自由化元年の2000年に創業した新電力会社です。大型天然ガス発電所を中心に、再生可能エネルギーを含めて100カ所以上の電源を組み合わせることで、全国の法人向けに環境負荷の低い電気を安定供給しています。
エネットの電源構成は以下の通りです。
※参考:株式会社エネット「電源構成・非化石証書使用状況・CO2排出係数」.https://www.ennet.co.jp/data/supply-co2/ ,(2024-09-13).
エネットの再エネ電気メニューは、以下の通りです。
再エネ電気メニュー | 特徴 |
【特別高圧・高圧・低圧】EnneGreen® RE100 | RE100に参加して脱炭素経営をしたい企業向けのメニュー |
【特別高圧・高圧・低圧】EnneGreen® BASIC | 再エネ電気を導入し、省エネ法に則した経営や、脱炭素経営のアピールをしたい企業向けのメニュー |
【特別高圧・高圧・低圧】EnneGreen® ZERO | CO2排出量を削減したい企業向けのメニュー |
【特別高圧・高圧・低圧】EnneGreen® PPA | 専用の再エネ発電所と契約したい企業向けのメニュー |
エネットの再エネ電気メニュー「EnneGreen®」は4つに分かれており、脱炭素経営への取り組み方や目的に応じて適したプランを選べます。
エネットの脱炭素ソリューションは、以下の通りです。
脱炭素ソリューション | 特徴 |
【特別高圧・高圧】EnneSmart® | 節電に協力することで、節電量に応じた電気料金の割引を受けられるサービス |
【特別高圧・高圧・低圧】EnneEV® | EV充電インフラやEV社用車の導入を支援するサービス |
【特別高圧・高圧】InfoEnnet® | 電気使用量・電気料金を見える化するサービス |
【特別高圧・高圧・低圧】Enneteye® | 全ての施設の電力データを自動的に収集し、AIを活用して解析、課題の抽出や省エネに関する提案を受けられるサービス |
節電に協力することで電気料金が割引されるEnneSmart®や、EV充電器やEV社用車の導入を支援するEnneEV®、電力データの分析にAIを用いたEnneteye®など、エネットには脱炭素経営に向けてさまざまな角度からアプローチできるサービスが豊富にそろっています。
エネットの会社概要は以下の通りです。
会社名 | 株式会社エネット |
本社所在地 | 〒105-0011 東京都港区芝公園二丁目6番3号 芝公園フロントタワー |
設立 | 2000年7月7日 |
代表者 | 谷口 直行 |
資本金 | 107億円 |
売上高 | 2,492億円(2023年度実績) |
株主 | NTTアノードエナジー株式会社 東京ガス株式会社 大阪ガス株式会社 |
事業内容 | 小売電気事業 省エネルギーに関するコンサルティング |
コーポレートサイト | https://www.ennet.co.jp/ |
ここからは、企業が再エネ電気メニューを選ぶ際に押さえておきたいポイントをご紹介します。これから電力会社を切り替えようとお考えの方は、参考になさってください。
再エネ電気メニューを取り扱っている電力会社を選ぶ際にまずチェックしたいのが、電力事業の安定性です。せっかく再エネ電気に切り替えても、契約した電力会社が事業撤退や倒産、廃業をしてしまったら、もう一度、乗り換え先を探さなくてはなりません。
万が一、電力会社の都合で電力の供給が停止することとなった場合には、供給停止日までに他の電力会社と新たな契約を締結する必要があります。もしも、供給停止日までにどの小売電気事業者とも契約できなかった場合は、一般送配電事業者から最終保障供給を受けることになります。
最終保障供給は一時的に電力を供給する制度のため、料金は一般送配電事業者の標準料金メニューよりも割高に設定されており、想定外のコストがかかってしまいます。もちろん、供給される電気は、再エネ電気ではありません。再エネ電気を長く安定的に利用するためにも、乗り換え先を選ぶ際は極力撤退リスクの少ない、安定供給が見込まれる新電力を選ぶべきなのです。
具体的には、自社の発電所を保有している電力会社や複数の供給源からバランスよく電力を調達している電力会社、また多角的に事業を行っている電力会社や、規模の大きな企業グループに所属している電力会社がおすすめです。
再エネ電気メニューでは、基本的に電力供給と環境価値がセットで提供されますが、その対応範囲は、電力会社によって異なります。再エネ化をしてRE100に対応したいのか、CO2排出量を削減してCDP・SBTに対応したいのかといった、自社の目的を達成できるメニューを選ばなければなりません。再エネ電気メニューを選ぶ際は、どのタイプの非化石証書を調達できるのか、J-クレジットを調達できるのか、使用電力に対して何%の非化石証書を調達できるのかといった点をしっかりと確認しましょう。
また電力供給なしに環境価値の調達のみを行うプランを提供している新電力もあります。現在の電気の契約を変えることなく環境価値のみを購入できるため、電力の切り替えができないテナント店舗や、イベントや工事現場などの短期間の電気使用でも、再エネ化を実現することができます。
脱炭素経営に本格的に取り組む場合は、再エネ電気メニュー以外にも複数の脱炭素ソリューションを持っている電力会社を選ぶのがおすすめです。
例えば電力関連であれば、太陽光発電システムのリースやオンサイトPPA、省エネ設備やデマンドコントローラーの導入、電力データの見える化や分析ができるシステムなどが挙げられます。
また再生可能エネルギーの活用や省エネの他に、次世代エネルギーの供給やEVの導入支援といった脱炭素ソリューションを提供している電力会社もあります。たくさんの脱炭素ソリューションを持っている電力会社を選べば、脱炭素化に向けてさまざまな支援をしてもらいやすく、スムーズに脱炭素経営に取り組めるでしょう。
近年、環境価値を活用した再エネ電気メニューを取り扱う電力会社が増えてきていますが、それぞれメニューの内容や対応範囲が異なります。しっかり比較検討をして、自社の目的を達成できる再エネ電気メニューを選びましょう。また再エネ電気メニューに切り替える際は、本記事でご紹介した5社のように、安定性の高い運営をしていると推定できる電力会社を選ぶのがおすすめです。自社に合った再エネ電気メニューや脱炭素ソリューションを持つ優良新電力を選び、脱炭素経営へ向けた取り組みを進めましょう。
伊藤忠エネクスの「TERASELでんき for Biz」の再エネ電気メニューは、再エネ化とCO2排出量削減の両方に対応しており、再エネ比率も100%を超えない範囲で自由に決定することができます。また電力供給とは別に、環境価値のみを調達できる「環境価値オプション」も提供しています。自家消費型太陽光発電システム「TERASELソーラー」や省エネルギー商材 斡旋サービスなどの電気関連の脱炭素ソリューションはもちろん、GTL燃料やRDといったクリーンな次世代燃料の供給も行えるのはエネルギー専門商社ならではです。
脱炭素経営に本格的に取り組む企業は、ぜひ、伊藤忠エネクスにご相談ください。貴社に合った電力メニュー、脱炭素ソリューションをトータルでご提案いたします。
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