アドブルーって何?排気ガスを使用する尿素SCRシステムも併せて解説

アドブルーって何?排気ガスを使用する尿素SCRシステムも併せて解説

伊藤忠エネクス メディア編集部

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アドブルーとは尿素SCRシステムで使用される、排気ガスをクリーンにするための高品位尿素水です。

「ディーゼルエンジン車が排出する有害な窒素酸化物」と「アドブルーに含まれるアンモニア」が化学反応を起こすことで、窒素と水に分解され無害になります。

本記事ではアドブルーとは何か、ディーゼルエンジン車の問題点やそれを解消する尿素SCRシステムについて解説します。

あわせてアドブルーの注意点やアドブルーがなくなったらどうなるのか、アドブルーの補充・費用の目安などを紹介します。

アドブルー(高品位尿素水)とは?

アドブルー(高品位尿素水)とは?
アドブルーとは
アドブルーとは、ディーゼルエンジン車の排気ガスをきれいにするために必要な尿素水です。常温で保存できる無色の液体です。

ディーゼルエンジン車は主に軽油を燃料として走り、排出ガスには地球環境に有害とされる窒素酸化物(NOx)が含まれています。

ディーゼルエンジン車はパワーがありますが、一方で窒素酸化物の排出量が多く問題視されています。近年では地球環境への配慮から、排出ガスへの規制が激しくなっている傾向があります。

排出ガスをできるだけクリーンにするため、一部のディーゼルエンジン車には尿素SCRシステムが搭載されています。

尿素SCRシステムによってアドブルーが排出ガスに吹きかけられ、アンモニアが窒素酸化物を窒素と水に分解し無害化します。

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ディーゼルエンジンを使用する機器は何が問題なのか?

前述したように、ディーゼルエンジン車の排出ガスには窒素酸化物(NOx)が多く含まれていることが問題です。

物が高温で燃えると空気中の窒素と酸素が結びつき、一酸化窒素や二酸化窒素といった窒素酸化物が発生します。

窒素酸化物は酸性雨や光化学スモッグの原因ともなります。酸性雨は川や湖、土壌を酸性にして生態系に悪影響を与え、森林が枯れる原因になる現象です。

光化学スモッグとは
光化学スモッグとは、大気中の窒素酸化物が太陽光の紫外線を浴びることで光化学オキシダントに変質し、これにより空気中にモヤがかかることで視界が悪くなった状態を指します。

目がチカチカしたり、喉や皮膚といった部位に痛みを引き起こしたりするので、問題視されています。

また、二酸化窒素の濃度が高くなると呼吸器疾患の原因ともなります。環境や人体に及ぼす悪影響から、近年では排出ガスへの規制が強められており、ディーゼルエンジン車には尿素SCRシステムが搭載されるようになりました。

ディーゼルエンジン車の排気ガスをキレイにする「尿素SCRシステム」

尿素SCRシステム

ディーゼルエンジン車に搭載されている尿素SCRシステムは、ディーゼル車の排出ガスをクリーンにすることを目的としています。

尿素SCRシステムは2004年に、株式会社日産ディーゼル工業(現UDトラックス株式会社)によって世界で初めてディーゼルエンジン車に搭載され、実用化されました。

現在ではディーゼルエンジン車をはじめ、船舶や火力発電所などの排気ガス処理のために使用されています。

尿素SCRシステムは、マフラー内で排出ガスに対してアドブルーを噴射します。すると、アドブルー内の尿素がエンジンの排熱で加水分解されてアンモニアガスになります。

このアンモニアガスが窒素酸化物を窒素に還元することで、排気ガスを浄化する仕組みです。

使用される尿素水に不純物が混ざっている場合、正常な化学反応の妨げとなる場合もあるため、尿素SCRシステムでは高品位尿素水が必要となります。

アドブルーは尿素SCRシステム専用の高品位尿素水として知られ、ドイツ自動車工業会(VDA)が商標登録している製品です。

アンモニアは危険が多い

尿素SCRシステムでは尿素水が使用され、その中のアンモニアが窒素化合物と化学反応を起こします。しかし、アンモニアは危険が多く取り扱いが難しいため、そのままの状態でディーゼルエンジン車に搭載できません。

アンモニアには鼻にツンとくる、刺激の強い臭いがあります。また、吸入した場合や触れた場合には気道や口内の粘膜、目、皮膚などに重度の損傷を引き起こす場合があります。

高濃度のアンモニアに晒された場合、命に危険が及ぶこともある有害な物質です。またアンモニアは可燃性のため、高温になると爆発の恐れがあります。

※出典:厚生労働省.「職場の安全サイト:化学物質:アンモニア」

厚生労働省:「職場の安全サイト:化学物質:アンモニア

高品位尿素水と一般的な尿素水の違い 

前述のとおり、尿素SCRシステムには高品位尿素水が必要です。アドブルーはディーゼルエンジン車のために製造されている、尿素SCRシステム専用の製品です。

アドブルーを商標登録しているドイツ自動車工業会(VDA)は、世界でも厳しい基準を設けています。

一方、一般的な尿素水では尿素の濃度が尿素SCRシステムの必要とする基準に一致していない可能性や、不純物が混ざっている可能性があります。

尿素SCRシステムの規格に沿っていない尿素水を使用した場合、噴射装置やDPF(粒子を除去するためのフィルター)の目詰まりといったトラブルにつながり、高額な修理費用が必要となる場合もあるでしょう。

尿素SCRシステムのための尿素水を購入する際は、類似品に気を付けることが大切です。

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アドブルーの注意点 

有害性が極めて低いアドブルーですが、取り扱いには注意点があります。

アドブルーの特徴の1つは燃えにくいことです。
しかし、火災などによりアドブルーが160度以上に加熱されてしまうと、分解作用によってアンモニアガスが発生する可能性があります。

反対にマイナス11度以下になると、尿素水は結晶化します。

アドブルーは生分解性(微生物など分解されやすい性質)が高く魚毒性(水に溶けた物質が魚に及ぼす毒性)が低い性質です。

アドブルーは窒素による富栄養化を発生させるため、排水溝への流出を避けなくてはなりません。

富栄養価とは川や海に含まれる栄養分が自然の状態と比べて増え過ぎてしまうことです。水中のプランクトンが異常増殖することで赤潮やアオコの原因となります。

また、アドブルーの給水時には基本的に保護メガネやゴム手袋などを着用することを推奨します。作業後は手を洗ってください。

アドブルー(高品位尿素水)がなくなったらどうなる?

タンク内のアドブルーがなくなるとエンジンが始動しない原因となりますが、走行中にアドブルーがなくなっても突然エンジンが動かなくなるわけではありません。

ただし、アドブルーがない状態でエンジンを切ってしまうと、アドブルーを補充するまでエンジンの再始動が不可能のため注意が必要です。

アドブルーを切らしてしまった場合の対処法は、アドブルーを補充するまでエンジンを切らないことです。

アドブルーを購入するため、エンジンをつけたままでカー用品店やガソリンスタンドまで走行しましょう。多くのカー用品店やガソリンスタンドでは、アドブルーを取り扱っています。

アドブルーがなくなってもエンジンを切らない限りは走行を続けることが可能ですが、センサー異常などのトラブルの原因となる場合があります。トラブルを防止するため、アドブルーの補充は定期的に行うことを推奨します。

【超危険】アドブルーの代わりに水を使ったらダメ!うっかり作業を防止しよう

アドブルー(高品位尿素水)の補充&費用の目安

アドブルーの補充目安については、走行距離を一つの基準とすることができます。

アドブルーは軽油使用量の3%を消費するため、1リットルあたりの走行距離は車種や積載量によって異なります。

ただし、車種や使用用途によっても必要な補充の頻度は大幅に変わるため、目安はあくまで参考とし実際の残量や警告灯を確認することが大切です。

クリーンディーゼル乗用車・バン

クリーンディーゼル乗用車・バンのアドブルータンク容量は約7~13リットルです。補充距離の目安は車種や積載量によって異なります。補充費用は約1,750~3,250円となり、補充時間は約5分です。

小型トラック(2t)

小型トラック(2t)のアドブルータンク容量は約15〜30リットルです。補充距離の目安は車種や積載量によって異なります。補充費用は約3,750~7,500円となり、補充作業時間は約5分です。

中型トラック(4t)

中型トラック(4t)のアドブルータンク容量は約30~40リットルです。補充距離の目安は車種や積載量によって異なります。です。補充費用は約7,500〜1万円となり、補充作業時間は約10分です。

大型トラック(10t)

大型トラック(10t)のアドブルータンク容量は約40~60リットルです。補充距離の目安は車種や積載量によって異なります。です。補充費用は約1万〜1万5千円となり、補充作業時間は約10分です。

アドブルーはどこで買う?

アドブルーは、カー用品店やホームセンター、ガソリンスタンドや整備工場などで購入可能です。もちろん、私たち伊藤忠エネクスでも購入可能です。

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ディーゼルエンジン車にはアドブルーの残量センサーがついており、残量が少なくなるとメーター内に表示されます。アドブルーの残りが少なくなっている場合、アドブルー切れを防ぐため、早めの購入が求められます。

アドブルーの補充作業は基本的には簡単です。

作業時間も5〜10分程度であり、工賃も発生しません。補充の際はウォッシャー液を入れる手順と同じです。トラックでは基本的に、軽油タンクの後方にアドブルータンクが設置されています。

一方、ボンネット内にアドブルータンクが設置されている場合もあります。

アドブルーはガソリンのような危険物ではありませんが、アドブルーをこぼしてしまった場合は、鉄やアルミ、銅などの金属を腐食させる原因となるため、拭き取った上で洗い流すことを推奨します。

アドブルーの保管方法

アドブルーを保管する際は、雨水や水道水が混入しやすい状態を避け、しっかりと密閉することが重要です。

アドブルーの成分比率は尿素32.5%、純水67.5%であり、この比率を保つことで効果的に性能が発揮されます。誤って水や他の液体が混ざらないよう保管しましょう。

またアドブルーは直射日光を避け、常温で風通しの良い涼しい場所に保管する必要があります。アドブルーには使用期限があり、保管が可能な期間は周囲の温度に左右されます。温度別のアドブルーの使用期限の目安は以下のとおりです。

保管外気温の目安有効期限の目安
35度以下6カ月
30度以下12カ月
25度以下18カ月
10度以下36カ月

アドブルーの性質を変えずに長い期間使うためには、できるだけ低い温度で保管することが大切です。

まとめ

ガソリンエンジンと比較して、省エネルギーで二酸化炭素削減が期待できることから、ディーゼルエンジンが注目されています。

ただし、ディーゼルエンジン車はワーがある一方、窒素酸化物を多く排出することが問題です。 アドブルーはディーゼルエンジン車が排出する窒素酸化物を窒素と水に分解し無害化するための高品位尿素水です。

高品位尿素水は一般的な尿素水とは異なり、尿素SCRシステム専用に作られています。ただし、取り扱いや保管方法には注意が必要です。使用方法を守って、アドブルーを正しく使用しましょう。

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