株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）とは？　供給実績や高圧法人向けプランの概要を解説

電力自由化によって、多くの新電力の中から自由に電力会社を選べるようになりました。一口に新電力といっても、電力会社ごとに料金メニューや契約内容は異なります。そのため電力会社の乗り換えを検討しているのなら、複数社を比較検討し、自社に合った電力会社やプランを選ぶことが大切です。

本記事では、関西電力株式会社が100％出資している新電力会社・株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）について解説します。基本情報や料金プラン、電気料金の計算方法、契約方法をまとめましたので、高圧電力を供給している電気会社を比較する際の参考にしてみてください。

※本記事の内容は2024年12月時点の情報です

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の基本情報

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）は関西電力の100％子会社で、2001年4月に関電ガス・アンド・コージェネレーション株式会社として設立されました。2007年8月に同グループの別会社と合併した際に現在の社名に変更され、2014年から首都圏の法人を対象として高圧電力・特別高圧電力の供給を行っています。

設備運用の豊富な実績から得たノウハウを生かし、契約企業のニーズに合わせて、さまざまな業種・エネルギー種別でのソリューションを提案しています。また電力供給サービスはもちろん、設備設計や施工、保守管理などの電気保安サービスや、エネルギー診断、エネルギー管理支援といったサービスも提供しており、エネルギー利用に関する幅広いサポートが可能です。

なお、2014年以降、株式会社関電エネルギーソリューションの販売電力量はほとんど右肩上がりで、2022年には3,000GWhを突破しました。自社で再生可能エネルギーの発電所の設計から建設、運営までを行っており、安定した電力供給に努めています。これまでに2021年度新エネ大賞　新エネルギー財団会長賞や2020年度おおさかストップ温暖化賞　特別賞など、多数の受賞実績があります。

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「株式会社関電エネルギーソリューション（Kenas）の概要」.http://www.kenes.jp/press/pdf/20140318-01/019.pdf ,（2024-10-06）.

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「沿革」.http://www.kenes.jp/company/history.html ,（2024-10-06）.

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「電力供給サービス」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/index.html ,（2024-10-06）.

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「受賞一覧」.http://www.kenes.jp/company/awards.html ,（2024-10-06）.

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の会社概要

株式会社関電エネルギーソリューションの会社概要は、以下の通りです。

本社所在地	大阪市北区中之島2丁目3番18号
設立年月	2001年4月2日
代表取締役	川崎 幸男
資本金	152億円（関西電力100％出資）
事業内容	ユーティリティサービス® 地域熱供給サービス ESCOサービス エネルギーマネジメントサービス（エネルギー診断、エネルギー管理支援） ガス・燃料油販売電気保安サービス（電気設備保安管理、電気設備の設計・施工、設備管理） 発電事業 電力供給サービス
コーポレートサイトURL	http://www.kenes.jp

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の供給実績

対応電力規模	・特別高圧 ・高圧
対応エリア	東京電力パワーグリッド管内（東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・静岡県） ※離島は除く
供給実績（単位：1,000kWh） ※2023年4月～2024年3月の合計値	・特別高圧：2,414,115 ・高圧：499,127

※参考：経済産業省.「電力調査統計表 過去のデータ 2023年度（令和5年度）」.https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/electric_power/ep002/results_archive.html#r04 ,（2024-09-29）.

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の電源構成

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の2022年度（2022年4月1日～2023年3月31日）の電源構成と非化石証書使用状況は、以下の通りです。

電源構成	石炭火力	27.4%
	LNG火力	23.5%
	FIT電気（バイオマス）（※1）	2.1%
	卸電力取引所（※2）	42.9%
	その他（※3）	4.1%
非化石証書使用状況	非化石証書あり（再エネ指定）	1.4%
	非化石証書あり（再エネ指定なし）	0.0%
	非化石証書なし	98.6%

※参考・出典：株式会社関電エネルギーソリューション.「電力供給サービス」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/index.html ,（2024-10-06）.

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の電気料金プラン

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の電気料金プランをご紹介します。

特別高圧・高圧向けプラン

株式会社関電エネルギーソリューションの特別高圧・高圧向けプランは、以下の通りです。

• 特別高圧電力
• 高圧電力

環境価値プラン（Kenes Green Supply®）

株式会社関電エネルギーソリューションは、環境価値プランとして「Kenes Green Supply®」も提供しています。

Kenes Green Supply®では、非化石証書を活用して実質的に再生可能エネルギー100％・CO2排出量ゼロの電力を利用できます。供給している電気のうち、原則10％〜100％の範囲で対応が可能です。

※参考：Youtube（株式会社関電エネルギーソリューション）.「脱炭素シリーズ〜環境価値プランKenes Green Supply～」.https://www.youtube.com/watch?v=L4zWFJYmDJE ,（2023-03-29）.

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の電気料金の計算方法

月々の電気料金に含まれる項目や計算方法は、電力会社によって異なります。ここからは株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の電気料金の計算方法をご紹介します。

特別高圧・高圧向けプラン

特別高圧電力・高圧電力向けプランの電気料金の計算方法は以下の通りです。

• 基本料金 + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金

基本料金は「契約電力 × 基本料金単価 × （1.85 – 力率 ÷ 100）」で算出できます。全く電気を使用しない場合の基本料金の算出方法は「契約電力 × 基本料金単価 × 0.5」です。また電力量料金には、燃料費等調整額が加算・減算されます。

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「電気需給約款（特別高圧・高圧）」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/pdf/yakkan_kenes20220701.pdf ,（2022-07-01）.

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の契約方法・契約内容

株式会社関電エネルギーソリューション（Kanes）の契約方法や契約内容をご紹介します。

契約の流れ

契約を希望する場合は、まず株式会社関電エネルギーソリューションに問い合わせをします。見積もりの際は、直近1年間の電力使用実績が分かる資料の提出が必要です。見積もりの内容に問題がなければ、申し込みを行います。送配電事業者によるアンテナ工事と契約の締結が完了次第、電力供給がスタートします。

契約の申し込みから電力供給までは、最短で2週間程度です。ただし状況によっては、それ以上の期間がかかることがあります。またアンテナ工事の際は、原則、計量器（メーター）通信線工事などが必要です。工事の詳細については、送配電事業者から直接連絡がきます。

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「電力供給サービス」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/index.html ,（2024-10-06）.

契約期間

原則として、契約期間は1年間です。希望がある場合は、複数年で契約を結べることもあります。また契約満了日に至る前に、株式会社関電エネルギーソリューションに対して特別意思表示を行わなければ、契約期間満了後も同条件で1年ごとに契約が継続されます。

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「電力供給サービス」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/index.html ,（2024-10-06）.

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「電気需給約款（特別高圧・高圧）」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/pdf/yakkan_kenes20220701.pdf ,（2022-07-01）.

支払い方法

支払い方法は、口座振替もしくは振り込みから選べます。口座振替の場合、手数料は株式会社関電エネルギーソリューションが負担します。振り込みの場合、手数料は契約者負担です。

電気使用量や電気料金（請求書）の確認方法

電気使用量や電気料金は、請求書かWebサイト「電気ご使用量のお知らせサービス」にて確認できます。

解約方法や違約金・解約金

解約を希望する場合は、原則解約希望日の2カ月前までに株式会社関電エネルギーソリューションへの通知が必要です。

契約開始から1年未満で解約を希望する場合は、契約電力の設定日から解約日の前日までの料金をさかのぼり、各月の基本料金・電力量料金・力率修正額が20％割り増しで請求されます。また解約に伴って、送配電事業者から工事費の請求が発生した場合は、その費用も支払わなければなりません。

また契約者が電気工作物を改変するなどして不正に電気を使用し、一部でも全額でもその支払いを免れた場合は、違約金としてその金額の3倍が請求されます。

※参考：株式会社関電エネルギーソリューション.「電気需給約款（特別高圧・高圧）」.http://www.kenes.jp/search/service/capital/pdf/yakkan_kenes20220701.pdf ,（2022-07-01）.

まとめ

高圧電力を乗り換える際は、複数の料金プランや契約内容を比較検討し、自社に合った電力会社を選ぶことが大切です。株式会社関電エネルギーソリューションは、電力販売量が右肩上がりで伸びており、多数の受賞実績もありますが、対応エリアに限りがあるため、自社の所在地がカバーされているかを必ず確認してください。

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