工場の電気代はいくらかかる? 計算の仕方や削減方法について解説!

工場の電気代はいくらかかる? 計算の仕方や削減方法について解説!

伊藤忠エネクス メディア編集部

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燃料価格の上昇や円安の影響により、5〜6年前と比べると電気代の水準が上がっています。工場は照明や空調、生産設備の稼働による使用電力量が多く、電気代の負担が大きくなりがちです。

また電気代は使用電力量だけで決まるわけではなく、一定の基本料金や再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)なども含まれるため、何から見直せばよいのか分かりにくいケースも少なくありません。工場の電気代を削減するには、まず現状を把握することが第一歩となります。

そこで本記事では、工場の電気代の内訳や平均、計算方法について分かりやすく解説します。また電気代の6つの削減方法もご紹介するので、工場の電気代にお困りの方はぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は2025年12月時点の情報です

工場の電気代の内訳

工場の電気代の内訳

工場内では多くの電子機器や電気設備が稼働しており、それぞれが電力を消費しています。まずは、工場の電気代を構成する主な内訳を確認してみましょう。

  • 生産設備にかかる電気代
  • 照明にかかる電気代
  • 空調にかかる電気代
  • 事務機器・その他電気製品にかかる電気代

資源エネルギー庁が発表した資料によると、製造業の使用電力量のうち、約8割を占めるのが生産設備によるものです(※)。残りを照明・空調などの一般設備が占めています。電気代は使用電力量に応じて増えるため、消費電力量の多い設備ほど電気代への影響も大きくなると考えられます。

また事務作業に使うパソコン・プリンターや、従業員用の冷蔵庫・電子レンジなども使用電力量に含まれます。

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「冬季の省エネメニュー(事業者)本州・四国・九州 P17」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/2025_winter/syouenemenu_jigyosha02.pdf ,(2025-10).

工場の使用電力量の平均は?

先述のように、電気代は使用電力量が多ければ多いほど膨らむ仕組みになっています。自社の工場の使用電力量が多いかどうかを判断するには、平均値を知っておく必要があります。一般的に1カ月の使用電力量は、小規模の工場で約1,000kWh、中規模で約10万kWh、大規模で約100万kWhが目安です。

ただし、使用電力量は業種によって差があるため、一概にはいえません。あくまでも目安として考えておくとよいでしょう。

工場の電気代を計算するには?

工場の電気代の計算方法

工場の電気代は「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」の3つの要素を合わせて計算します。計算式にすると、以下の通りです。

電気代 = 基本料金 + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金

それぞれの要素の計算方法を以下で詳しく解説します。

基本料金

基本料金は、使用電力量に関わらず毎月発生する固定費で、基本的に以下の計算式で求められます。

基本料金 = 基本料金単価 × 契約電力 × 力率割引および割増

工場のような大規模施設は「高圧小口(契約電力50kW以上、500kW未満)」「高圧大口(契約電力500kW以上2,000kW未満)」または「特別高圧(契約電力2,000kW以上)」で契約することがほとんどでしょう。

高圧小口の基本料金は、当月を含む過去12カ月間の最大需要電力(最大デマンド値)を基に契約電力が決まる「実量制」が一般的です。なお最大需要電力とは、30分単位の平均使用電力である「デマンド値」のうち、1カ月の中で最も大きい値のことです。

一方、高圧大口と特別高圧では、直近1年間の最大需要電力を考慮した上で需要家と電力会社が協議して契約電力を決めます。

また力率とは、供給された電力のうち、実際に生産設備の稼働など「仕事」に使われた電力の割合を示す指標です。モーターや変圧器などは仕組み上、磁場を発生させるための電力が必要となり、この分は直接仕事には使われません。このようなロスを含めた供給電力に対して、どれだけ有効に活用できているかを表したものが力率です。

一般的に、力率が85%を上回ると基本料金が割り引きされ、下回ると割り増しとなります。

なお、実際の算出方法は電力会社や契約プランによって異なります。ここでは代表的な仕組みとして押さえておきましょう。

電力量料金

電力量料金は、実際に使用した電力量(kWh)に応じて変動する費用です。節電や省エネルギー対策による効果が反映されやすい部分といえます。基本的な計算式は、以下の通りです。

電力量料金 = (電力量料金単価 × 使用電力量) + (燃料費調整単価 × 使用電力量)

高圧電力・特別高圧電力の場合、契約期間中の電力量料金単価は固定されるのが一般的です。一方、燃料費調整単価は燃料価格や為替などの影響を受けて毎月変動するため、使用電力量が同じでも、月によって電気代は変わります。

なお、電気料金プランは電力会社によって異なり、電力量料金単価が固定ではなく、時間帯や曜日、または電気の市場価格などに応じて変動するプランや、燃料費調整単価とは異なる算出方法・内訳の調整枠が設けられているプランもあります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、再生可能エネルギーの普及・促進を目的とした制度に基づく費用で、電気を利用する全ての需要家が使用電力量に応じて負担します。計算式は以下の通りです。

再生可能エネルギー発電促進賦課金 = 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 × 使用電力量

再エネ賦課金単価は、国の制度に基づき年度ごとに見直されます。そのため、使用量が変わらなくても、年度によって負担額が増減する点には注意が必要です。

また再エネ賦課金の支払いは義務ですが、使用電力量を抑えることで間接的に負担を軽減できます。

工場の電気代の削減に取り組んだ方が良い理由

工場の電気代の削減に取り組んだ方が良い理由

工場の電気代の削減は、単なるコスト削減にとどまらない、さまざまな利点があります。ここからは、削減に取り組むべき具体的な3つの理由を見ていきましょう。

大幅な利益率アップが見込める

工場の電気代はランニングコストの中でもある程度の割合を占めます。特に製造業は他の業種に比べて多くの生産設備を稼働させる必要があるため、使用電力量が多い傾向にあり、電気代の削減に取り組むことで、年間数百万円のコスト削減を実現できるケースもあるでしょう。

また電気代は原材料費や人件費とは異なり、節電や設備の見直しによって抑えやすい固定費です。手っ取り早く利益率アップを目指す方法として、取り組む価値の高い施策といえるでしょう。

電気代高騰のリスクを低減できる

近年は燃料価格の高騰や円安の影響を受け、5〜6年前と比べると電気代の水準が上がっている状況です。電気代が上がると、工場の運営コストは自ずと増加します。特に使用電力量の多い製造業では、経営に与える影響も大きく、事業を継続する上で重要な課題といえるでしょう。

電気代の削減に取り組むことは、こうした電気代高騰によるリスクを和らげる手段の一つになります。

環境保護に貢献できる

工場の電気代の削減は、コスト削減だけではなく、環境保護への貢献にもなります。節電や省エネに取り組むことは、温室効果ガス排出量の削減に寄与する行動といえます。

昨今は各業界で脱炭素経営が求められているため、節電対策に取り組むことは、企業の環境責任を果たし、ESG経営やカーボンニュートラルへの取り組みとして評価されるでしょう。

工場の電気代を削減する6つの方法

工場の電気代を削減する6つの方法

工場の電気代を削減するには、具体的にどのような方法が考えられるのでしょうか。ここからは、今日から取り組める電気代の削減方法を6つご紹介します。

電力会社を見直す

電力会社の見直しは、初期費用をかけずに電気代を削減できる、効果的な方法です。

高圧電力・特別高圧電力は使用電力量が多いため、契約条件の違いが電気代に与える影響は大きいです。そのため、思い切って電力会社を乗り換えると電気代が今よりも安くなる可能性があります。

なお、同じ電力会社でも、固定単価プランから市場連動型プランへ切り替えて電気代を削減できる場合があります。ただし、市場連動型プランは電力市場価格の変動に応じて電力量料金単価が上下するため、市場価格が高騰した際はかえって電気代が高くなる可能性がある点には注意が必要です。

また高圧電力・特別高圧電力は契約更新時期以外に解約をすると違約金がかかるケースが多いため、電力会社を乗り換える際にはタイミングに注意しましょう。

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伊藤忠エネクスが提供する「TERASELでんきforBiz.」は、法人向けの電力供給サービスです。企業ごとの電力の使用状況やニーズに合わせ、オーダーメイドの料金プランをご提案します。

また使用電力量に応じて環境価値を調達することもできるので、電力由来のCO2排出量を実質ゼロにでき、脱炭素経営の実現にもつなげられます。

「工場の電気代を削減したい」「電力会社を乗り換えたい」とお考えの方は、お気軽に伊藤忠エネクスへお問い合わせください。

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地方自治体の補助金を利用する

特別高圧電力の場合は、国の「電気・ガス料金支援」の対象外であるため、多くの地方自治体は国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、独自の支援事業や補助制度を設けています。この制度では、電気代の負担軽減や、省エネ設備の導入支援などが行われることがあります。

ただし、補助金を受け取るには各地方自治体が設けている条件を満たす必要があるため、利用を検討する際は最新情報を確認しましょう。

補助金については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

>>特別高圧電力にも補助金は出る? 全国の地方自治体の補助金制度を徹底紹介!

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「電気・ガス料金支援」. https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/?utm_source=chatgpt.com ,(2025-12-18).

※参考:地方創生.「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」. https://www.chisou.go.jp/tiiki/rinjikoufukin/juutenshien.html ,(2025-12-18).

節電に取り組む

日常的な節電は、すぐに取り組める電気代の削減方法です。資源エネルギー庁は、以下のような省エネ対策を推奨しています(※1)。

生産設備不要または待機状態にある電気設備の電源オフ、及びモーターなどの回転機の空転防止を行う
ユーティリティ設備負荷に応じてコンプレッサ・ポンプ・ファンの台数制御を行う
照明使用していないエリアは消灯をする
空調無理のない範囲で工場内の温度を調整する

また冬場の暖房を22度から20度に設定すると、建物全体に対する省エネ効果は約14%になるとのデータもあります(※1)。夏場は冷房の温度を26度から28度に設定した場合、建物・設備ごとの省エネ効果が約8%あるとのことです(※2)。

上記に加えて、工場の従業員全員が節電を意識できるよう、ルールを共有することも大切です。

※1 参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「冬季の省エネメニュー(事業者)本州・四国・九州 P18」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/2025_winter/syouenemenu_jigyosha02.pdf ,(2025-10).

※2 参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「夏季の省エネメニュー(事業者)本州・四国・九州 P18」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/2025_summer/syouenemenu_jigyosha02.pdf ,(参照2025-12-17).

省エネ設備を導入する

空調や照明を省エネ機能付きのものに変えると、中長期的な電気代の削減になります。以下で具体的に解説していきます。

LED照明

工場の照明を蛍光灯や水銀灯からLED照明へ切り替えることで、使用電力量を大きく抑えられる可能性があります。LED照明は消費電力量が少なく長寿命なので、交換頻度も少なく、保守コストの低減につながる点も特長です。

資源エネルギー庁は、60Wの白熱電球を電球形LEDランプに交換した場合、建物全体に対し約85%の省エネ効果があるとしています(※)。

また天井が高い工場では、照明の交換作業の手間や安全面の負担が大きくなりがちです。LED照明により交換回数が減れば、それらを軽減できるでしょう。

なお、伊藤忠エネクスでは「省エネルギー商材サービス」をご提供しています。ご利用により、初期費用0円でLED照明の導入が可能です。照明は全て新品のもので、最大5年間の保証付きです。5年間ご利用いただければ、所有権がお客さまに移転するため、6年目以降は毎月の電気代しかかかりません。LED照明の導入をお考えの方は、伊藤忠エネクスまでお気軽にご相談ください。

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「冬季の省エネメニュー(事業者)本州・四国・九州 P18」. https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/2025_winter/syouenemenu_jigyosha02.pdf ,(2025-10).

省エネ空調

空調は工場における使用電力量の中でも、大きな割合を占めています。省エネ機能のある空調を導入することで、従来型と比べて消費電力量を大幅に抑えられる可能性が高いです。

特に、法定耐用年数を大幅に超えた空調設備を使用している場合は効果が出やすい傾向にあります。温度の自動管理や建物内の温度ムラの解消など、作業環境の改善にもつながる点がメリットです。

なお、伊藤忠エネクスの省エネルギー商材サービスには、空調設備もあります。古い空調から最新の空調へ切り替えると、消費電力量を約半分に抑えられます。また建物内の温度を場所ごとに調整できるため、電気の無駄や調整の手間も削減可能です。

LED照明と同様に、5年後はそのままお客さまへ所有権が移り、それ以降は電気代のみのお支払いで済みます。詳細は、伊藤忠エネクスまでお気軽にお問い合わせください。

空調管理システム

空調管理システムは、空調設備の稼働を最適化する仕組みです。工場は敷地が広く天井が高い傾向にあるため、空調効率が下がりがちです。空調管理システムを導入すれば、温度や稼働時間が見える化され、必要なタイミングにのみ稼働するよう自動制御できます。省エネ空調と組み合わせることで、より高い効果が期待できるでしょう。

デマンド値を抑える取り組みをする

先述の通り、高圧電力と特別高圧電力の契約電力は、最大需要電力(最大デマンド値)を基に決定されます。

工場の生産設備を同時に稼働させると、デマンド値が一時的に高くなり、結果として基本料金が上がる要因になります。デマンド値が高くならないよう生産設備の稼働を分散させるなどすることで、契約電力の抑制につながる可能性があります。その結果、毎月の電気代の削減につながるのです。

ただし、その効果は高圧・特別高圧といった契約種別や、工場の運用状況によって異なります。自社の状況を確認した上で、対策を検討することが重要です。

デマンドコントローラー

デマンドコントローラーはデマンド値を監視し、あらかじめ設定した値に近づくと、主に空調の稼働を自動調整して超過を防ぐシステムです。

伊藤忠エネクスでは、空調特化型のデマンドコントローラー「Ai-Glies」をご提案しています。「Ai-Glies」は、外気の温度・湿度による不快指数の変化を監視し、自動で空調の出力を調整、室内を快適に保ちます。

デマンドコントローラーで工場の電気代を抑えたいとお考えの方は、伊藤忠エネクスまでお気軽にご相談ください。

デマンドコントローラーに関するお問い合わせ

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

自家消費型太陽光発電を導入する

自家消費型太陽光発電は、工場の屋根や敷地の空きスペースに太陽光発電設備を設置し、作った電気を自社で消費できる仕組みです。作った電力をそのまま工場で消費するため、電力会社から購入する電力量を減らすことができ、電気代の抑制につながります。また再生可能エネルギーの活用が、環境配慮や脱炭素への取り組みとして評価される可能性がある点も特長です。

伊藤忠エネクスのTERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)

伊藤忠エネクスのTERASELソーラーは、契約者の保有する施設に太陽光発電システムを設置し、作った電力を自家消費していただくサービスです。

初期投資不要で太陽光発電システムを導入でき、定額にてエネルギーサービス料(設備利用料やメンテナンス費用など)をお支払いいただくだけでご利用が可能です。作った電気を自家消費できるようになるため、電力会社から購入する電力量が減り、工場の電気代を削減できます。ご不明点は、伊藤忠エネクスへお気軽にご相談ください。

TERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)

03-4233-8055 平日 9:00~17:30

まとめ

工場の電気代を削減するには、電気代の内訳や計算方法を理解することが第一歩です。電力会社の見直しに加え、節電、省エネ設備・自家消費型太陽光発電の導入など、電気代を削減する方法はいくつかあるため、自社に合った方法を取り入れましょう。

伊藤忠エネクスでは、工場の電気代を削減するための取り組みに関するご相談を、一括で承っています。電気代の見直しだけではなく、エネルギー利用の最適化やリスク分散にもつなげられます。工場の電気代を効率的に削減したいとお考えの担当者の方は、ぜひお気軽に伊藤忠エネクスへお問い合わせください。

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