【2023年度版】企業における環境対策の重要性とは?国や自治体が行っている補助金や支援事業をご紹介!

【2023年度版】企業における環境対策の重要性とは?国や自治体が行っている補助金や支援事業をご紹介!

伊藤忠エネクス メディア編集部

伊藤忠エネクスは1961年の創業以来 「 社会とくらしのパートナー」として 全国各地の地域に根ざし生活に欠かせないエネルギーをお届けしてまいりました。 老舗エネルギー商社ならではの情報を発信します。

環境問題への社会的な関心が高まる中、今や、一般企業も環境対策に取り組むことが当たり前となっています。環境対策に取り組むことで、社会的な責務を果たしているというアピールや評価につながることはもちろん、コスト削減や投資の呼び込みといった効果も期待でき、結果的に中長期的な事業の発展につながるでしょう。

本記事では、企業が環境対策に取り組むことの重要性や、その際に役立つ国や自治体の補助金・支援事業をご紹介します。

企業が環境対策に取り組むべき理由

近年、世界中のさまざまな企業が環境対策の取り組みを行っています。再生可能エネルギー(再エネ)や省エネ設備の導入、ペーパーレス化、廃棄物の削減などがその代表例です。ではなぜ、企業による環境対策の取り組みが増えているのでしょうか

世界的な規模の環境対策の目標を達成するため

近年、具体的な数字を掲げた環境対策の目標が、世界的な規模で設定されています。

例えば「パリ協定」では、世界共通の目標として"世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする"が掲げられており、これに対して日本は、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減することを目標に定めています。

また日本は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指すとも宣言しています。

これらの目標を達成するためには、一般家庭よりも温室効果ガスの排出量が多い企業の取り組みが欠かせません。そのため企業は、積極的に環境対策に取り組むことを強く要請されているのです。

※出典:経済産業省 資源エネルギー庁. 「今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」(参照2023-7-27)

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html

投資家の求める要件が変化しているため

先述したように、世界的な規模で環境対策への関心が高まっているため、投資家が企業に求める要件も変化してきています。これまでは企業の利益のみが投資家にとっての指標であり、最大の関心事でしたが、現在は温室効果ガスの排出量削減の取り組みやSDGsの達成に向けた取り組みなど、企業の社会への貢献度も投資の判断材料になっています。

企業が環境対策に取り組むメリット

企業が環境対策に取り組むメリットは、主に以下の3つです。

  • コスト削減
  • 企業イメージの向上
  • ESG投資への期待

コスト削減

温室効果ガスの排出量削減のために、再生可能エネルギーである太陽光発電を導入したり、省エネ設備を導入したり、ペーパーレス化を促進したりすることは、電気料金の削減や消耗品費の削減にもつながります。特に最近は、燃料価格の高騰や円安の影響により電気料金の値上げが続いているため、太陽光発電や省エネ設備の導入による電気料金の削減が企業の財務に与える影響は大きいでしょう。

太陽光発電や省エネ設備の導入に利用できる補助金や支援事業も多く、また初期費用なしに導入できる太陽光発電もあるため、資金に余裕がなくてもこれらの設備の導入を検討できます。


初期投資なしに太陽光発電システムを導入できる「PPAモデル」については、以下の記事で詳しく解説しています。

企業イメージの向上

消費者の環境問題への関心も高まっているため、企業が環境対策に取り組んでいるかどうかが購買行動にも影響を与えます。同じ性能の商品でも、環境に優しい原料や方法で製造されている、企業が再エネ導入や清掃活動、森林保全、水質保全などに取り組んでいるといった、環境に配慮した製品・企業の方を選ぶという人も増えています。積極的に環境対策に取り組むことで、環境に優しい企業であるというイメージを消費者に持ってもらうことができれば、製品の付加価値となり、売り上げにも良い影響があるでしょう。

ESG投資への期待

近年、「ESG投資」が拡大しています。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)の3語の頭文字を取った言葉で、ESG投資とは、環境問題や社会問題に配慮してビジネスを行っている、ガバナンスにも優れた企業に対して積極的に行われる投資のことです。

ESG投資を行う投資家は、利益のみを追い求める企業よりも、環境問題や社会問題の解決に取り組み、ガバナンスの強化を行っている企業こそ持続的な発展が期待できると考えているため、環境対策をはじめとしたESGの取り組みを積極的に行うことで、投資を受けるチャンスが広がるでしょう。

環境対策を行うに当たり知っておくべき補助金制度

国や自治体が掲げる政策目標や、社会的な要請、予算などに応じてさまざまな分野で補助金の募集がされており、環境対策に関するものも少なくありません。

補助金を上手に活用することで、資金に余裕がなくても設備投資を行えたり、投資回収年数を短縮できたりと、環境対策を加速させることができるでしょう。

ただし、補助金には補助対象となる経費の指定や補助の割合、上限額といった制限が設けられており、必ずしもかかる費用の全額を補助金で賄えるわけではありません。また「事前の審査」と「事後の検査」があり、原則、事後の検査後に支払われるため、申請したら必ずもらえるわけではないという点にも注意が必要です。


環境対策に補助金・助成金を利用したいと考えている方は、ぜひ、こちらの資料もご覧ください。補助金・助成金の基本をわかりやすく解説しています。

【会社の総務担当者必見!!】必ず知っておきたい補助金・助成金の基礎知識

日本における環境対策の補助金・支援事業

ここからは、全国の事業者が利用できる環境対策の補助金・支援事業のうち、主なものをご紹介します。政策目標ごとに分けると、以下の5つの補助金・支援事業があります。

  • 省エネルギー設備への更新を促進するための補助金
  • 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
  • 需要家主導による太陽光発電導入促進補助金
  • 油含有土壌等除去補助事業
  • サステナブル建築物等先導事業

省エネルギー設備への更新を促進するための補助金

「先進設備・システム」や「オーダーメイド型設備」など、事業者の省エネ設備の導入を支援する補助金です。2つの事業に分けて実施しています。

名称概要募集期間連絡先
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金省エネルギー性能の高い設備および機器への更新などに要する経費の一部を支援2023年7月10日~2023年8月25日(3次公募)一般社団法人 環境共創イニシアチブ 事業第1部
省エネルギー投資促進支援事業費補助金事業者が計画したエネルギー使用合理化の取り組みのうち、省エネルギー性能の高い機器および設備の導入に要する経費の一部を補助2023年5月25日~2023年6月30日(2次公募)一般社団法人 環境共創イニシアチブ 事業第1部

二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金

エネルギー起源二酸化炭素の排出抑制に関する対策を推進するための補助事業であり、30以上の補助金が展開されています。本記事では、そのうちの一部を抜粋してご紹介します。

名称概要募集期間連絡先
グリーンファイナンス拡大に向けた市場基盤整備支援事業グリーンボンドなどにて資金調達しようとする企業や自治体などに対して、外部レビューの付与およびグリーンボンドフレームワーク整備のコンサルティングなどの費用を補助2023年5月30日~別途交付規程に定められている事業完了日程まで一般社団法人環境パートナーシップ会議
地域脱炭素融資促進利子補給事業金融機関が行う地域脱炭素に資するESG融資に対し、その利子の一部を補給することにより、ESG金融の拡大および定着を図るとともに、地域脱炭素に資する設備投資を促進2023年5月1日~2023年12月27日12時一般社団法人環境パートナーシップ会議
脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業中小企業などがリースで脱炭素機器を導入する場合、脱炭素機器の種類に応じて総リース料の一定割合を補助2023年4月10日~2023年4月28日17時一般社団法人環境金融支援機構
地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業地方公共団体などによる地域再生可能エネルギー導入の目標設定・意欲的な脱炭素の取り組みに関する計画策定、再エネ促進区域の設定などに向けたゾーニング、公共施設などへの太陽光発電設備その他の再エネの導入調査、官民連携で行う地域再エネ事業の実施・運営体制構築などに関する支援2023年6月9日~2023年6月30日17時(2次公募)一般社団法人地域循環共生社会連携協会
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業公共施設への再エネ設備などの導入を支援し、平時の脱炭素化に加え、災害時にもエネルギー供給などの機能発揮を可能とする2023年5月22日~2023年6月16日(6次公募)一般財団法人環境イノベーション情報機構
民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業再エネ熱利用設備、工場廃熱など利用設備、温泉供給設備更新時の省エネ設備などまたは自家消費型もしくは災害時の自立機能付きの再エネ発電設備について、一定のコスト要件を満たすものに対して、計画策定・設備導入の支援2023年5月19日~2023年6月15日(2次公募)一般社団法人環境技術普及促進協会
建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業建築物などにおけるZEB化・省CO2改修の普及拡大により脱炭素化を進めるために、分野に関わらず広く建築物などにおいて大幅な脱炭素化・レジリエンス強化の促進に必要となる経費の一部を支援2023年5月23日~2023年6月30日17時環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室
コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業エネルギー起源二酸化炭素の排出の抑制および温室効果ガスであるフロン類の排出の抑制のため、冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場および食品小売店舗において脱炭素型自然冷媒機器を導入する事業に要する経費の一部を補助2023年5月11日~2023年6月12日17時一般財団法人日本冷媒・環境保全機構

需要家主導による太陽光発電導入促進補助金

太陽光発電所を所有する発電事業者と、その発電所で得られる再生可能エネルギー電力の供給を受ける需要家、発電された電気を系統上で調整する小売電気事業者の3者による事業の導入を補助する補助金です。

募集期間 2023年6月23日~2023年8月10日
連絡先 一般社団法人太陽光発電協会

油含有土壌等除去補助事業

中小企業が運営している給油所の敷地で、ボーリングなどで採取した土壌および地下水を分析した結果、ベンゼン・鉛は基準値を超えていないが、油分、油臭・油膜が含まれた土壌があり、さらにその範囲が明確な場合、その土壌などの除去および処理などを行う費用の一部を国が支援する制度です。

募集期間 当該年度の10月最終営業日までに申請
連絡先 全国石油商業組合連合会 環境・安全対策グループ

サステナブル建築物等先導事業

建築における設計・施工・運用の各段階で、省エネ・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を目指し、長期的に利用し続けられるサステナブル建築の費用を一部支援する制度です。

募集期間 建築物の様式により異なる
連絡先 サステナブル建築物等先導事業評価事務局

東京都内の事業者が利用できる環境対策の補助金・支援事業

ここからは、東京都内の事業者が利用できる環境対策の補助金・支援事業のうち、一部を抜粋してご紹介します。

名称概要募集期間連絡先
EVバイクの車両購入補助金(東京都)都内で新車販売される2輪車を2035年までに100%非ガソリン化することを目指し、EVバイクの普及促進に向け、車両購入費補助を実施2023年4月28日~2024年3月29日東京都産業労働局産業・エネルギー政策部事業者エネルギー推進課
省エネルギー設備の設置補助事業(中野区)地球温暖化対策の推進および区民の環境意識の向上を図ることを目的とし、省エネルギー設備などの設置に係る経費の一部を補助2023年4月10日~2024年2月29日中野区環境部 環境課環境・緑化推進係
新エネルギー及び省エネルギー機器等導入補助金制度(新宿区)区内集合住宅もしくは事業所に新エネルギーおよび省エネルギー機器などを導入する中小企業者(個人事業者を含む)、管理組合などに、設置費用の一部を補助2023年4月17日~2024年3月31日新宿区環境清掃部環境対策課
新築建築物への省エネルギー機器等設置費補助(港区)LED照明や高効率空調などの高性能設備機器の導入により、区が定める基準に達した省エネ性能の高い建築物を区内に新築する建築主へ対象経費を補助2023年4月1日~2024年2月12日港区環境リサイクル支援部環境課地球温暖化対策担当
太陽光発電システム設置費補助金(足立区)太陽光発電システムを設置した方に対し、予算の範囲内で必要な経費の一部を補助2023年4月11日~2024年2月29日足立区環境部環境政策課管理係
中小企業GX経営推進支援事業補助金(荒川区)区内中小企業が、経済と環境の好循環を目指すグリーントランスフォーメーション(GX)経営に取り組むために行う設備投資に要する経費の一部を補助2023年04月1日~2024年2月15日荒川区産業経済部経営支援課経営支援係

上記の他にも、ISO、エコアクション21、プライバシーマークといった認証取得に向けた支援補助金なども実施しています。

まとめ

本記事では企業が環境対策に取り組むことの重要性や、その際に役立つ国や自治体の補助金・支援事業をご紹介しました。環境対策の取り組みは、今や、企業の持続的な発展に必要不可欠なものとなっています。ご紹介したような補助金・支援事業などを活用しながら、積極的に環境対策に取り組んでいきましょう。


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