高圧電力の電気料金を下げる5つの方法! 節電よりも効率的に消費電力を減らせる方法をご紹介

高圧電力の電気料金を下げる5つの方法! 節電よりも効率的に消費電力を減らせる方法をご紹介

伊藤忠エネクス メディア編集部

伊藤忠エネクスは1961年の創業以来 「 社会とくらしのパートナー」として 全国各地の地域に根ざし生活に欠かせないエネルギーをお届けしてまいりました。 老舗エネルギー商社ならではの情報を発信します。

電気料金は使用量はもちろん、契約する電力会社や料金プランなどによっても大きく変わります。特に高圧電力は使用量が多いため、少し単価の上下でも大きく電気料金が変動してしまうでしょう。

電気料金を下げるというと、節電をして消費電力を少なくしようと考える方が多いと思いますが、他にもいくつか方法があります。

本記事では、少しでも電気料金を下げたいと考えている企業のご担当者の方へ向けて、高圧電力の電気料金を無理なく、効率的に下げる5つの方法をご紹介します。

※本記事の内容は2024年5月時点の情報です

高圧電力の電気料金の仕組み

高圧電力の電気料金を下げるポイントをご紹介する前に、まずは簡単に電気料金の仕組みについて解説します。高圧電力の電気料金は、「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の4つの項目で構成されています。各料金の計算方法や概要は、以下の通りです。

高圧電力の電気料金の内訳概要
基本料金・基本料金単価 × 契約電力 × 力率割引および割増
・毎月発生する固定料金で、仮に電気を使用しない月があっても必ず支払わなければならないもの
・一般的には、電気の使用量が多いほど、基本料金は高くなる傾向にある
電力量料金・電力量料金単価 × 使用電力量
・実際に使用した電力量に応じて支払うもの
・電力量料金単価は、電気の使用量が少ないほど高くなる傾向にある
燃料費調整額・燃料費調整単価 × 使用電力量
・発電に必要な燃料の調達価格が反映されたもの
・世界の市場動向や為替レートによって変動する
・電力会社ごとに電力の調達方法が異なり、また各社が自由に設定できる項目のため、大きな差が生じやすい
再生可能エネルギー発電促進賦課金・再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 × 使用電力
・量電力会社が「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」で再エネ由来の電力を買い取る際に要する費用を電気料金に反映するもので、全ての需要家が支払わなければならない
・単価は1年に一度、年度の開始前に経済産業大臣が設定する
・2024年5月から2025年4月の再エネ賦課金単価は3.49円(/kWh)

高圧電力の電気料金の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。

※参考:経済産業省.「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2024年度以降の買取価格等と2024年度の賦課金単価を設定します」.https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240319003/20240319003.html , (2024-05-17).

高圧電力の電気料金を下げる5つの方法

高圧電力の電気料金を下げる方法は、主に以下の5つです。

  1. 電力会社を切り替えて料金単価を下げる
  2. 省エネ機器に入れ替えて消費電力を減らす
  3. デマンド値を抑えて基本料金を下げる
  4. 電気保安点検の料金を下げる
  5. 自家消費型太陽光発電を導入する

1. 電力会社を切り替えて料金単価を下げる

電力の小売自由化により多くの新電力が誕生し、同じエリア・同じ使用電力量でも、契約する電力会社や料金プランによって電気料金に差が生まれるようになりました。現在契約中のプランよりも料金単価が安い電力会社に乗り換えれば、電気の使い方は今までと同じでも、電気料金が下がります。特に高圧電力はより多くの電気を使用するため、1kWh当たり数円の差であっても、大きな節約になるでしょう。

高圧電力の見積もりは燃料費調整額に注意!

電力会社を乗り換える際は、必ず事前に見積もりをもらいましょう。再エネ賦課金単価以外の単価は電力会社がそれぞれ自由に設定できるので、見積もりではトータルの見込み電気料金だけでなく、内訳もしっかりと確認しましょう。

特に燃料費調整額のチェックは欠かさず行いましょう。基本料金と電力量料金は安く設定し、燃料費調整額をエリア電力会社の水準よりも大幅に引き上げることで利益を確保する電力会社も存在しており、中には燃料費調整額が見積もりに記載されていないケースもあります。電気料金が安くなると思って乗り換えたのに、逆にこれまでより高くなってしまったと後悔しないよう、燃料費調整額は必ずチェックしてください。

見積もりを確認する際に、燃料費調整単価、あるいは、「燃料費調整額はエリア電力会社様と同単価にて請求いたします」といった文言が明記されているかをチェックするとともに、Webサイトなどで燃料費調整単価が公開されているかも確認するのがおすすめです。

伊藤忠エネクスの法人向け電力販売

伊藤忠エネクスは、2010年より法人向け電力販売サービス「TERASELでんき for Biz」を提供しています。これまでに全国の40以上の業種のお客さまへ電力を提供してきた実績があり、お客さまの業界や事業規模、電気の使用状況に適したオーダーメイドプランをご提案します。

またこれまで契約していた電力会社からの切り替えに当たって、 基本的に設備投資などの初期費用は必要ありません。電気料金以外のイニシャルコストやランニングコストをかけずに導入できます。

なお、伊藤忠エネクスでは、毎月の燃料費調整単価をWebサイト上で公表しています。お見積もりの際には、燃料費調整額を含めた料金の詳細を丁寧にご説明しますので、しっかりと検討した上で切り替えをご判断いただけます。電力会社の切り替えや新規契約を検討中の企業のご担当者さまは、ぜひお気軽にご連絡ください。

TERASELでんき for Biz. 法人向け電力供給サービス 詳細はこちら

2. 省エネ機器に入れ替えて消費電力を減らす

節電をして消費電力を減らすことも、当然ながら電気料金の削減につながります。

こまめに設備の電源を切るのももちろん有効ですが、効率的に消費電力を減らすなら、省エネ機器(LEDや空調設備など)を導入するのがおすすめです。近年の省エネ機器は、省エネ効率が大幅に向上しており、例えば10年前と比べると以下のような違いがあります。

  • 電球形LEDランプ:一般電球と比べると約86%の省エネにつながる
  • 省エネタイプの空調設備(エアコン):10年前の空調設備と比べると約17%の省エネにつながる

省エネ機器の導入や更新で利用できる補助金制度もあり、低コストで新しい設備に入れ替えられる可能性もあるため、省エネ機器を検討する際は忘れずチェックしましょう。

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「機器の買換で省エネ節約」.https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/ , (2024-05-17).

伊藤忠エネクスの省エネルギー商材斡旋サービス

伊藤忠エネクスでは、省エネルギー(省エネ)商材の斡旋サービスを提供しています。省エネルギー商材斡旋サービスを利用すれば、初期投資ゼロで最新の省エネ機器を導入可能です。月額サービス料はかかりますが消費電力が抑えられるため、トータルで考えるとコストダウンにつながります。

また省エネ機器の導入6年目からは月額サービス料はかかりません。導入した省エネ機器はお客さまのものになるので、大幅なコスト削減が可能です。

3. デマンド値を抑えて基本料金を下げる

先述した通り、高圧電力の基本料金は「基本料金単価×契約電力×力率割引および割増」で算出します。3つの項目のうち、契約電力は実際に契約している電力量のことで、電力量によって以下の3つに分類されます。

高圧電力の種類 契約電力
小口高圧電力50~500kW
大口高圧電力500〜2,000kW
特別高圧電力2,000kW~

大口高圧電力や特別高圧電力の契約電力は、契約ごとに需要家と電力会社が話し合って決めますが、小口高圧電力の契約電力は、過去1年間(直近12カ月)の最大需要電力に基づいて決まります。最大需要電力は、30分単位の平均使用電力である「デマンド値」のうち、1カ月の中で最も大きい値のことです。

例えば4月に電気の利用を開始し、4月の最大需要電力が300kWだった場合、5月の最大需要電力が250kWでも300kWが契約電力となります。しかし、6月の最大需要電力が400kWになってしまうと、6月の契約電力は400kWに上がります。以降は最大需要電力が400kWを超えなければ、翌年5月までは400kWが契約電力として適用されます。

デマンド値は30分単位なので、たった30分でも最大需要電力が上がってしまうと、以降1年間はその値が契約電力として適用されてしまいます。逆に言えば、電気の使用を1日の中で上手く分散し、特定の30分間に集中してしまわないようにすれば、電気料金を大きく下げることも可能です。

最大需要電力を抑えるには、デマンド監視装置やデマンドコントローラーを導入するのがおすすめです。デマンド監視装置はリアルタイムでデマンド値を確認できるもので、デマンド値が事前に設定した値に近づくと通知をしてくれます。通知がきたタイミングで稼働を停止できる設備の電源を切るなどして、デマンド値が上がらないようにします。一方、デマンドコントローラーは、上記の一連の流れを自動で行ってくれるもので、デマンド値が事前に設定した値を超えてしまわないよう、設備の稼働を自動制御してくれます。

伊藤忠エネクスのデマンドコントローラー

伊藤忠エネクスでは、空調設備に特化したデマンドコントローラーを提供しています。外気の不快指数の変化を監視し、室温が変化する前に適切な温度を判断した上で、自動で空調の温度を制御することが可能です。消費電力の中でも多くを占める空調設備のデマンド値を監視・制御することで効率的に電力量を調整でき、基本料金を抑えられます。

また無線+ソーラー給電の仕組みを採用しており、有線型の装置と比べて導入時の施工費を抑えられます。「基本料金を抑えたい」「デマンドコントローラーを低コストで導入したい」という企業のご担当者さまは、ぜひお気軽に伊藤忠エネクスにお問い合わせください。

デマンドコントローラーに関するお問い合わせ

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

4. 電気保安点検の料金を下げる

高圧電力を利用する際には、受電や変電などを行う電気設備の設置が欠かせません。

電気設備には、国家資格を保有する電気主任技術者による保安管理(定期点検・故障対応など)が必要です。自社に電気主任技術者が在籍していない場合は、外部に委託することもでき、多くの企業が外部の技術者へ保安管理を依頼をしているでしょう。

電気保安管理業務は、主に以下の3つの団体に委託できます。

  • 電気保安協会
  • 管理技術者協会
  • 電気保安法人

特に民間の電気保安法人は、比較的安価に電気保安点検サービスを提供しているため、長期間同じ外部委託先に依頼をしている場合は、一度、金額やサービス内容を比較検討し、安くなる場合は委託先を変更するのがおすすめです。

伊藤忠エネクスの保安サービス

伊藤忠エネクスでは、電気保安業務の仲介サービスを提供しています。お客さまの施設があるエリアや予算、ニーズに応じて、適切な外部委託先をご提案します。

TERASELでんき for Bizと併せてご契約いただければ、請求書を1枚にまとめられ、請求業務の効率化も行えます。電気保安業務のランニングコストを削減したい企業のご担当者さまは、お気軽にご相談ください。

5. 自家消費型太陽光発電を導入する

自家消費型の太陽光発電を導入するのも、電気料金を抑える方法の一つです。

自社の敷地内にソーラーパネルを設置することで電力の自家消費ができるようになり、その分、電力会社から購入する電力量が減るので電気料金を下げられます。設備導入の初期費用はかかりますが、昨今の電気料金の値上がりを考えると、十分に発電できる環境であれば導入のメリットは大きいでしょう。燃料価格や為替レートなどによる電気料金の高騰の影響を受けにくくなり、また太陽光発電設備を所有している場合は減価償却費として費用計上できるため、節税対策にもなります。

加えて、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいる企業として、社外へのアピールもできるでしょう。

伊藤忠エネクスのTERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)

伊藤忠エネクスのTERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)は、お客さまの施設に太陽光発電システムを設置し、発電した電気を自家消費していただくサービスです。契約期間中は、定額エネルギーサービス料(設備利用料、メンテナンス費など)をお支払いいただき、契約期間後は月額サービス料なしで、設置した太陽光発電システムはそのまま継続してご使用いただけます。

TERASELでんき for Bizと併せてご契約いただければ、使用電力を100%再生可能エネルギーにすることも可能です。脱炭素化・温室効果ガスの排出量削減に取り組む企業として、大きくアピールできます。

TERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

まとめ

高圧電力は使用電力量が多いため、少し単価が下がったり使用量が減ったりしただけでも大きく電気料金が下がる可能性が高いです。一口に電気料金を下げると言っても、先述した通りさまざまな方法があるので、取り入れられるものから取り組んでみてください。

一方で、5つの方法に対してそれぞれ比較検討をして、見積もりを取って……と一つずつ実施していくと、膨大な時間と手間がかかってしまいます。伊藤忠エネクスでは、本記事でご紹介した全ての電気料金の削減方法に対応するサービスを提供しています。

伊藤忠エネクスに一括でご依頼いただくことで、電気料金を下げられるだけではなく、契約や管理業務の工数を削減することも可能です。電気料金を下げたいと考えている企業のご担当者さまは、ぜひお気軽にご相談ください。

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