【項目別】工場の省エネ対策・アイデア集! 省エネに取り組むべき理由についても解説

【項目別】工場の省エネ対策・アイデア集! 省エネに取り組むべき理由についても解説

伊藤忠エネクス メディア編集部

伊藤忠エネクスは1961年の創業以来 「 社会とくらしのパートナー」として 全国各地の地域に根ざし生活に欠かせないエネルギーをお届けしてまいりました。 老舗エネルギー商社ならではの情報を発信します。

世界的に燃料価格が高騰している現在、製造業において安定した経営を続けるには、省エネ対策を行うことが欠かせません。では、工場で省エネ対策を進めるには、具体的にどのような取り組みをすればよいのでしょうか。

本記事では、工場が省エネに取り組むべき理由や取り組むメリット、具体的な省エネ対策・アイデアをご紹介します。工場の省エネを進めていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

※2024年12月時点の情報です

工場が省エネに取り組むべき理由

まずはなぜ工場で省エネに取り組むべきなのか、大きく2つの理由を解説します。

燃料価格の高騰

工場が省エネに取り組むべき理由の一つは、燃料価格の高騰です。

工場では多くの電気やガス、石油・石炭製品を消費します。世界情勢の変化や円安などによって燃料価格が高騰している現在、エネルギーの調達にかかるコストが膨れ上がり、打撃を受けている工場も多いでしょう。省エネに取り組めばエネルギー消費量を抑えられるため、コスト削減につながります。

ここで燃料価格の現状と今後の予測について、見ていきましょう。

燃料価格は今後も値上がりが続く見通し

ロシアによるウクライナ侵攻や中東諸国の情勢不安などを主な要因として、燃料価格は高止まりしています。またLNGの需要の高まりやLNG関連設備のトラブルといった、燃料価格に影響を及ぼすような事象も世界的に発生しており、現状では燃料価格は今後も値上がりが続くと考えられています。

2024年3月に経済産業省 資源エネルギー庁が示した「令和4年度エネルギー消費統計結果概要」によると、工場などを運営する製造業のエネルギー別消費割合は、以下のようになっています。

エネルギー種別割合
電力51.2%
蒸気・熱18.3%
石油・石炭製品16.8%
ガス12.5%
再生可能エネルギー・未活用エネルギーなど1.3%

製造業が消費するエネルギーのおよそ半分を電力が占めています。原油・石炭・天然ガスの価格が上がると電気料金が値上がりするため、その分のコストが増えてしまうでしょう。また石油・石炭製品やガスの価格ももちろん上がるので、燃料価格の上昇は工場にとって大打撃となります。

近年の原油・石炭・天然ガスの価格推移は、以下の通りです。

原油(OPECバスケット価格:$ / バレル)石炭(南アフリカ:$ / mt)天然ガス(日本:$ / mmbtu)
2014年96.1972.3416.04
2015年49.5656.7110.93
2016年40.6863.957.37
2017年52.5185.158.61
2018年69.5297.6410.67
2019年64.0271.9410.66
2020年41.3765.668.53
2021年69.72119.8410.32
2022年100.14287.1718.54
2023年82.98116.7014.68

原油・石炭・天然ガスのいずれの価格も2022年がピークとなっていますが、2023年も高い水準のままです。一般社団法人エネルギー情報センターが示すデータによると、原油・石炭・天然ガスの価格は2050年頃まで値上がりしていく見通しとなっています。特に原油は情勢が不安定化している中東諸国に依存している状態のため、状況が悪化すれば供給が滞ってしまう恐れもあります。

ここまでご紹介したデータから考えて、今後、製造業のエネルギーコストが増加することは避けられません。これまで通りの工場運営では、コストが膨らみ過ぎて、経営に大きな影響を及ぼす恐れもあります。長期的な燃料価格の上昇が見込まれている以上、今後も安定した経営を維持していくには、省エネの取り組みによってエネルギー消費量を減らすことで、コストを削減する必要があるのです。

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「第1節 世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰」.https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/html/1-2-1.html ,(2024-10-10).

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「令和4年度エネルギー消費統計結果概要」.https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/energy_consumption/ec001/pdf/ec001_2022.pdf ,(2024-10-10).

※参考:IEA.「Fossil Fuels」.https://www.iea.org/energy-system/fossil-fuels ,(2024-10-10).

再生可能エネルギーのコストは値下がり傾向

燃料価格の上昇が続く一方で、再生可能エネルギーのコストは値下がり傾向にあるとされています。

例えば、再生可能エネルギーの一つである太陽光による発電のコストは、2020年は12.9円(/kWh)でしたが、2030年には8.2〜11.8円(/kWh)程度まで値下がりすると試算されています。そのため、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーで発電した電力の消費割合を増やせば、燃料価格の上昇によって受ける影響を抑制できるでしょう。

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「電気をつくるには、どんなコストがかかる?」.https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/denki_cost.html ,(2021-12-28).

環境への配慮

地球温暖化が進み、日本はもちろん世界中で環境に配慮する取り組みが進められています。企業にもCO2削減などの取り組みが求められており、特に多くのエネルギーを消費する製造業は、早急な対応を迫られているのではないでしょうか。

実際にどのような配慮が求められているのか、またどのような取り組みが進められているのかを見ていきましょう。

限りがある資源に対する取り組み

エネルギーの消費量は、経済成長に伴って世界的に年々増加しています。1965年の世界の年間エネルギー消費量は石油換算で37億トンでしたが、それ以降は年平均2.4%の増加を続けており、2021年には年間エネルギー消費量が142億トンに達しました。経済成長とエネルギー消費量は比例するため、今後も途上国が経済成長を続けていけば、さらにエネルギー消費量は増加していきます。

しかし、エネルギー消費量の大半を占めている、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料には限りがあります。世界の資源の確認埋蔵量を基に、2020年末時点で予測された各資源の可採年数は以下の通りです。

  • 石油:53.5年
  • 石炭:139年
  • 天然ガス:48.8年

それほど遠くない未来に、現在主流となっている化石燃料は枯渇してしまうと考えられています。エネルギーを安定して確保し続けるために、化石燃料の消費量を減らし、新たなエネルギー資源の開発に取り組むことが求められているのです。

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「第1節 エネルギー需給の概要」.https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/html/2-2-1.html ,(2024-10-10).

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「第2節 一次エネルギーの動向」.https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/html/2-2-2.html ,(2024-10-10).

CO2削減を目指した取り組み

地球温暖化は、世界共通の課題の一つです。2021年に発表されたIPCC第6次評価報告書によると、2100年までに世界の平均気温は3.3〜5.7度も上昇すると考えられています。

地球温暖化を進行させる原因にはさまざまなものがありますが、大きく影響しているのがCO2です。これ以上の地球温暖化の進行を防ぐには、CO2の削減が欠かせません。1997年の「京都議定書」や2015年の「パリ協定」では、世界共通の目標が掲げられ、各国がその目標に向かって取り組みを実施していくことが決められました。

中でもパリ協定で掲げられた「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度以内に抑える努力をする」という目標を達成するには、カーボンニュートラルの実現が欠かせません。日本でも、2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を行っており、2050年までにCO2の排出量と吸収量をイコールにし、排出量を実質ゼロにすることを目指しています。

CO2削減のための取り組みが世界的に推進されている中で、企業でもさまざまな取り組みが行われるようになりました。代表的なものの一つが「RE100」です。RE100とは、企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーから調達することを目指す国際的なイニシアチブで、日本を含め世界の多くの企業が参加しています。

近年は、企業に対するエネルギー効率やCO2排出基準の厳格化が進んでいます。2023年4月には改正省エネ法が施行され、省エネ対策を行う上での明確な判断基準が示されました。またエネルギー使用量が多い特定の事業者には、エネルギー使用状況の報告や非化石エネルギーへの転換に関わる取り組みの見直しなどが求められるようになっています。


大手企業を中心にCO2排出量削減への取り組みが行われていますが、2050年カーボンニュートラルを実現するには、サプライチェーン全体のCO2排出量を削減しなければなりません。そのため、取引先や顧客に対してもCO2排出量の削減を求める動きも見られるようになりました。例えば、トヨタ自動車は直接取引を行っているサプライヤーに対して、CO2排出量を前年よりも3%減らすことを要請しています。

このような流れの中で、企業は事業規模に関係なく、CO2排出量削減のための取り組みを進めなければならないのです。

※参考:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター.「温暖化とは?地球温暖化の原因と予測」.https://www.jccca.org/global-warming/knowleadge01 ,(2024-10-10).

※参考:経済産業省.「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」.https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html ,(2024-10-10).

※参考:経済産業省 資源エネルギー庁.「2023年4月施行の「改正省エネ法」、何が変わった?」.https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/shoene_houkaisei2023.html ,(2023-12-19).

※参考:日本経済新聞.「トヨタ、部品会社に21年排出3%減要請 供給網で脱炭素」.https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD01CDL0R00C21A6000000/ ,(2021-06-02).

工場が省エネに取り組むメリット

ここまで解説した内容で、すでにご理解いただいているかとは思いますが、ここで改めて、工場が省エネに取り組むことで得られる3つのメリットをご紹介します。

ランニングコストを削減できる

工場が省エネに取り組む一番のメリットは、ランニングコストを削減できることです。

省エネ対策を行うには、設備の導入・交換が必要だったり人件費がかかったりと、まとまった初期費用が必要になるケースも多いです。しかし、省エネが実現すれば、エネルギーにかかるコストを抑えられるため、ランニングコストを削減できます。長期的に見れば、大きなコスト削減につながるでしょう。

初期費用がかかることに不安がある方もいらっしゃると思いますが、国や自治体の補助金を活用できるケースもあるので、積極的に利用しましょう。補助金について詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。

設備や機器を長く使えるようになる

設備や機器を長く使えるようになることも、工場が省エネ対策に取り組むメリットの一つです。

最新の省エネ設備を導入するだけが、省エネ対策ではありません。エネルギー効率を上げるために、既存設備のメンテナンスを行ったり、使用していない設備や機器の電源を落として節電したりすることも重要です。これまでよりも小まめにメンテナンスを実施したり、使用しないときは電源を落としたりすることで、設備にかかっていた負荷が軽減され、より長く使用できるようになる可能性があります。

イメージアップにつながる

企業のイメージアップにつながることも、工場が省エネ対策を行うメリットとして挙げられます。

改正省エネ法では「事業者クラス分け評価制度」が導入されています。これは各事業者が提出した定期報告書などの内容を基に、事業者を4クラスに分類して評価するものです。Sクラス評価の事業者は、優良事業者として経済産業省のWebサイトで公表されます。省エネに関連する補助金申請でも審査に通りやすくなるので、メリットは大きいでしょう。

その他にも、省エネ対策の内容や成果を公表することで、企業イメージや価値が向上します。顧客に対してはもちろん、投資家にも良いイメージを与えられるため、営業活動や資金調達にも有利に働くでしょう。

また工場が省エネ対策に取り組むと、サプライチェーン排出量の削減にも大きく貢献できます。前述した通り、CO2排出量削減のために省エネ対策を行っている企業を取引先として積極的に選ぶ企業も増えています。省エネ対策を行えば、新たなビジネスチャンスに恵まれるかもしれません。

※参考:資源エネルギー庁.「事業者クラス分け評価制度」.https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/institution/ ,(2024-10-10).

工場の省エネ対策・アイデア

ここからは工場で取り組める省エネ対策・アイデアを項目別にご紹介します。無理なく取り組めるものから実践して、工場の省エネを実現しましょう。

再生可能エネルギーの活用

再生可能エネルギーの活用は、効果の高い省エネ対策の一つです。具体的な導入方法をご紹介します。

自家消費型の太陽光発電システムの導入

再生可能エネルギーを活用するなら、工場の屋根や隣接する土地に太陽光パネルを設置する自家消費型の太陽光発電システムの導入がおすすめです。太陽光によって発電した電気を工場で活用することにより、電気使用によるCO2排出量を削減できると同時に、電気料金の削減も実現できます。

太陽光発電システムの導入には、莫大な初期費用がかかると考えている方も多いかもしれません。しかし、近年は発電設備の所有権をPPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約)事業者が持つことで、初期投資なしに太陽光発電システムを導入できる「PPAモデル」も普及しています。PPAモデルなら初期費用の負担を抑えて、環境に配慮した電力を確保できます。

伊藤忠エネクスの太陽光発電サービス「TERASELソーラー」も、お客さまの保有施設に太陽光発電設備を設置し、発電した電気を自家消費できるサービスです。初期費用は不要で、定額もしくは従量払いにてサービス料(設備利用料やメンテナンス費用など)をお支払いいただきます。太陽光発電システムの設置に関する届出や工事・メンテナンスなどは全て伊藤忠エネクスが行うので、煩わしい作業を行う必要もありません。

TERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

再生可能エネルギー由来電力の利用

直接的な省エネ対策ではありませんが、再生可能エネルギー由来の電力を利用するのも一つの方法です。といっても、必ずしも再生可能エネルギー電源で発電された電力を使用しなければならないわけではありません。電力供給に非化石証書を組み合わせることで、電気の実質再生可能エネルギー化、実質CO2排出量削減を実現できます。

伊藤忠エネクスの法人向け電力供給サービス「TERASELでんきforBiz」では、電力に非化石証書を組み合わせることで、提供する電力を実質100%再生可能エネルギーとする環境メニューを提供しています。また環境メニューの他に、必要な分の環境価値のみを調達できる環境価値オプションも用意しているので、一部の電力だけを実質再生可能エネルギー化したり、電力契約を切り替えることができない施設でも、実質再生可能エネルギー由来電力を利用したりすることが可能です。

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キュービクル・変圧器の省エネ対策

キュービクル・変圧器の省エネ対策には、以下のような方法があります。

省エネ対策概要
稼働台数制御装置の導入・変圧器の稼働台数を必要最低限に抑える稼働台数制御装置を導入することで、変圧器を効率良く稼働させられ、夜間や休日など稼働率が低い時間帯の変圧器の無駄なエネルギー消費を防ぐ
超効率変圧器の導入・省エネ性能の高い超効率変圧器を導入することで、変圧器内でのエネルギー消費を最低限に抑える
進相コンデンサの導入・電気回路の効率を高める進相コンデンサを導入すると、力率(供給された電力のうち、有効な電力の割合)を改善できるため、供給された電力の無駄がなくなり、省エネにつながる

空調の省エネ対策

空調の省エネ対策には、以下のような方法があります。

省エネ対策概要
制御温度の変更・空調の温度を適切に制御することで、消費電力の無駄を抑えられる
・冷房の温度を1度高く設定すると約13%、暖房の温度を1度低くすると約10%の電力が消費できるとされている
室外機の温度環境・障害物の見直し・夏季は室外機がある場所の温度が上がらないように、冬季は温度が上がるように設置環境を見直すと、効率良く空調を使える
・室外機の正面や吹き出し口の周りには、障害物を置かないようにする
熱交換器の清掃・空調の室内機・室外機の両方にある熱交換器を清掃すると、熱交換がスムーズにできるようになり、電力の消費効率が改善する
・熱交換器は3〜5年に一度を目安に清掃するのがおすすめ
フィルターの清掃・フィルターに汚れがたまっている状態は、過剰に電力を消費してしまう
・フィルター掃除を行うと、冷房の際は約4%、暖房の際は約6%の消費電力を抑えられるとされている(※1)
残熱による運転時間の短縮・終業時間の15〜30分程度前に空調を止めても、空調稼働時の残熱によって適切な温度を維持できる
分散起動・工場内の全ての空調を一斉に稼働させると、起動時の消費電力量が高くなる
・時間差で稼働させる分散起動を行うことで、複数のエアコンのピーク電力が重ならず、最大需要電力を抑えられる
ナイトパージ・夏季に、夜間の涼しい外気を取り込むナイトパージを行うと、翌日のエアコン起動時の消費電力量を削減できる
・ナイトパージ機能を搭載した空調もあるが、夜間に換気扇を付けるなどして手動で行うことも可能
α-HTの導入・空調で消費される電力の大半は、圧縮機の動力とされている
・空気を攪拌して圧縮機への負担を抑えるα-HT(流体攪拌装置)を導入すると、高い省エネ効果が期待できる
外気冷房空調システムの導入・冬季にも工場内で冷房を必要とする場合は、外気を使って室温を下げる外気冷房空調システムを導入することで省エネになる
全熱交換器の導入・排出する暖かい空気の熱を回収して、吸い込んだ空気に再利用する
・換気の際に効率的に室内の温度を保つことができるため、省エネにつながる
CO2濃度制御機器の導入・室内のCO2濃度に応じて換気量を自動制御するCO2濃度制御機器を導入すると、適切な量の外気を取り込みながら、工場内の温度が外に逃げるのを避けられる
室外機への散水装置の導入・室外機に付いているアルミフィンに散水を行うことで、夏季の室外機の温度上昇を防ぎ、消費電力量を抑えられる
屋根や壁へ遮熱塗料を塗布・建物の温度上昇を抑える効果がある、遮熱塗料を工場の屋根や壁に塗ると、工場内の温度が快適になりやすく、空調の消費電力量を抑えられる

伊藤忠エネクスがご提案する「Ai-Glies」は、空調設備に特化したデマンドコントローラーです。デマンドコントローラーとは、デマンド値(30分単位の平均使用電力)をリアルタイムで監視し、あらかじめ設定した値に近づくと接続している機器の稼働を自動制御する装置です。

「Ai-Glies」は、外気の不快指数の変化をモニターして自動で空調の温度を制御するため、消費電力を抑えつつ工場内の温度を快適に保つことができます。

デマンドコントローラーに関するお問い合わせ

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

※参考:環境省.「オフィスでできる節電アクション」.https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/office/saving01.html ,(2024-10-10).

※参考:九州電力.「空調機の熱交換器の洗浄」.https://www.kyuden.co.jp/library/pdf/company/eco_item/07item_20130913.pdf ,(2024-10-10).

※参考:ダイキンHVACソリューション.「業務用エアコンの節電問題!省エネモデルに買い替えがおすすめ」.https://www.daikin-hvac-tokyo.co.jp/column/power-saving/2024-2265 ,(2024-07-30).

照明の省エネ対策

照明の省エネ対策には、以下のような方法があります。

省エネ対策概要
LED照明の導入・LED照明は白熱灯や蛍光灯、HIDランプよりも省エネ効果が高い
・日本全体の白熱灯や蛍光灯、HIDランプが全てLEDに置き換わると、照明に使われている年間消費電力が約61%削減できると試算されている
照明制御機器の導入・タイマー制御や人感センサー制御、調光制御などの照明制御機器を導入すれば、必要なときだけ照明を点灯させたり、適切な光量を確保したりすることができる
・照明の消し忘れなども発生しにくい

伊藤忠エネクスでは、省エネルギー商材斡旋サービスを提供しています。例えば、工場内の照明を全てLEDにするにはかなりのコストがかかりますが、省エネルギー商材斡旋サービスなら初期費用なしでLED照明を導入でき、無理なく消費電力を抑えられます。本サービスではLEDを含む照明機器だけではなく、空調設備や冷凍冷蔵庫など幅広い商材を取り扱っています。契約期間は基本5年間となっておりますが、6年目からは設備の所有権が契約者に移るため、月額サービス料金が掛け捨てになりません。初期投資不要で省エネ機器に入れ替えることができるだけではなく、長期的に大幅なコスト削減が見込めるでしょう。

※参考:一般財団法人 日本エネルギー経済研究所.「LED照明による省電力ポテンシャルと費用対効果の試算」.https://eneken.ieej.or.jp/data/3891.pdf ,(2024-10-10).

冷凍・冷蔵設備の省エネ対策

冷凍・冷蔵設備の省エネ対策には、以下のような方法があります。

省エネ対策概要
設定温度の適正化・冷凍・冷蔵設備の庫内温度を適切に設定すれば、無駄な消費電力を防ぐことができる
・保存する食品や製品の適正温度を確認し、庫内温度を見直すのがおすすめ
冷却装置の変更・エネルギー効率の良い冷却装置に変更することで、消費電力量を減らせる
高効率吸収式冷温水機・冷凍機の導入・高効率吸収式冷温水機・冷凍機は、従来の冷温水機・冷凍機よりも省エネ効率が高い
高効率熱源機の導入・高効率の熱源機(チラーやヒートポンプ)を導入すれば、消費電力量を抑えられる
高効率ターボ冷凍機の導入・インバータ搭載で低負荷時の性能を高められる高効率ターボ冷凍機を導入することで、消費電力量を抑えられる
フリークーリングの導入・外気温の低い季節に冷凍機を稼働させずに生産用冷却水を供給できるフリークーリングを導入すると、冷凍機の動力による消費電力量を削減できる

ボイラ・工業炉の省エネ対策

ボイラ・工業炉の省エネ対策には、以下のような方法があります。

区分 省エネ対策 概要
電気に関する省エネ対策 自動制御システムの導入 ・自動制御システムを導入すれば、ボイラの運転効率が良くなり、消費電力の無駄を抑えやすくなる
熱に関する省エネ対策 蒸気ドレンの回収 ・蒸気ドレンを回収し、再度ボイラに給水することで、蒸気の持つエネルギーを活用できる
・省エネにつながる他、節水効果も期待できる
蒸気バルブの保温 ・蒸気バルブを断熱ジャケットなどで保温すれば、バルブ表面からの熱エネルギーの放出を避けられるため、省エネにつながる
新たなボイラへの切り替え ・より熱効率の良いボイラに切り替えることで、エネルギー消費を抑えられる
工場炉の燃焼空気比の改善 ・炉内の燃焼空気比が大きいと、無駄なエネルギーを消費してしまう
・排ガス中のCO2濃度から空気比を計算し、燃焼効率を考えた空気比に改善すると省エネになる

ポンプ・ファン・コンプレッサの省エネ対策

ポンプ・ファン・コンプレッサの省エネ対策には、以下のような方法があります。

省エネ対策概要
水洗ポンプのインバータ化・水洗ポンプをインバータ化し、ポンプの回転速度を調節できるようにすると、消費電力を減らせるようになる
空気配管の漏れ防止・配管から空気が漏れると、コンプレッサの風量が増加して電力消費につながる
・空気が漏れる箇所を特定し補修作業を行うことで、省エネになる
スクラバーファンのインバータ化・スクラバーファンをインバータ化し、負荷に応じてモータの回転数を制御できるようにすると消費電力を抑えられる
コンプレッサ吐出圧力の低減・コンプレッサは吐出量が大きくなるのに比例して消費電力量が増える
・吐出圧力を抑えることで、消費電力も抑えられる
コンプレッサをルーツブロワに変更・圧力が10〜100kpa程度の場合、コンプレッサの代わりにルーツブロワを使用した方が消費電力が少なくなる
エアブローのパルス化・エアブローをパルス化すると、エアーの使用量が低減でき、消費電力量を抑えられる
・2012年度省エネ大賞優秀事例でも紹介された対策

※参考:SHIFT.「ルーツブロワの使用」.https://shift.env.go.jp/files/navi/provision/S18301.pdf ,(2024-10-10).

※参考:SHIFT.「143211 エアブローのパルス化」.https://shift.env.go.jp/files/navi/measure/143211.pdf ,(2024-10-10).

その他の省エネ対策

最後に、設備の省エネ以外におすすめしたい3つの対策をご紹介します。

省エネ効果の見える化

工場では、省エネ効果を見える化するのがおすすめです。

エネルギーマネジメントシステムを導入すれば、生産ラインや拠点ごとのエネルギー使用状況を可視化でき、どの部分の改善に取り組むべきかが一目で分かるようになります。高い効果が期待できるところから対策をすることで、効率的に省エネを進められるでしょう。

従業員が省エネに積極的に取り組める体制づくり

従業員が積極的に省エネに取り組める体制づくりをすることも、工場の省エネには欠かせません。

例えば、前述した省エネ効果の見える化によって得たデータを社内で共有すれば、実際にどのような効果が出たかを把握できます。従業員のモチベーションが高まり、さらに積極的に省エネ対策に協力してくれるようになるでしょう。

また省エネ対策を行いつつ、工場内の光量や温度、空気の質などを快適に作業に従事できる程度に調整・維持することで、従業員の協力をより得やすくなるはずです。

コンサルティングサービスの利用

工場で効率的に省エネを進めるには、コンサルティングサービスを利用するのも一つの方法です。

エネルギーコンサルティングサービスを利用すれば、工場におけるエネルギー使用を最適化するために何をすればよいのか、何から始めればよいのかをプロの目線で提案してもらえます。

伊藤忠エネクスでは、CO2の可視化・排出量削減を伴走支援する「GXコンサルティングサービス」を提供しています。プロジェクト当たり少なくとも3人の担当者が付き、現状課題の洗い出しから適切なソリューションのご提案、導入サポートまでワンストップで対応いたします。また省エネ対策を内省化できるよう支援することも可能です。

企業のCO2を可視化・削減を支援する伊藤忠エネクスのGXコンサルティングサービス

03-4233-8052 お電話でのご相談 (平日 9:00~17:00)

まとめ

燃料価格の上昇によるコストの増加に対応するためにも、環境に配慮した工場運営を行うためにも、工場の省エネ対策は欠かせません。本記事でご紹介した通り、省エネ対策にはさまざまなものがあり、工場の特性や現状によっても適した対策は異なります。取り組みやすさや期待できる省エネ効果を踏まえて、無理なくできる対策から始めるようにしましょう。

これから工場の省エネ対策に取り組むなら、ぜひ伊藤忠エネクスにご相談ください。エネルギー商社として60年以上の歴史を持つ伊藤忠エネクスでは、これまで培ってきた豊富なノウハウを基に、省エネ・電気料金の削減につながるさまざまなサービスを提供しています。

どのような省エネ対策を行えばよいのか分からない企業も効率的に対策を行いたい企業も、まずはお気軽にお問い合わせください。

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