企業が蛍光灯や白熱電球をやめてLED照明を導入すると、節電による光熱費削減や地球環境への配慮など、さまざまなメリットが得られます。そのためオフィスや工場などで使用する電灯をLEDに変える企業が増えています。
本記事ではLEDのメリットやデメリット、どの程度の電力消費を削減できるのか、蛍光灯や白熱電球との比較などについて解説します。LEDの大手4メーカーの比較も紹介するので、参考にしてください。
LEDのメリットやデメリットについて解説します。
LEDランプと一般電球、LEDシーリングライトと蛍光灯シーリングライトの違いついても紹介します。
LEDのメリットは以下のとおりです。
LEDのデメリットは以下のとおりです。
LEDにおける最大の弱点は、価格が高く重量があることです。
ただし、価格については初期コストが高くても電気代が抑えられるため、LEDを使うことは結果的に節約に役立ちます。ぶら下げるタイプの照明器具に取り付ける場合は、重さで落ちてしまう可能性も考慮し、耐久性などを確認しておくことがおすすめです。
LEDランプを使用することは電気代の節約に効果的です。
一般電球やボール電球、小形電球(白熱電球)などを電球形LEDランプへ交換すれば、約86%の省エネになるといわれています。電球形LEDランプは一般電球に比べて消費電力が少ないことが特徴です。
以下の場合を例として挙げます。
この場合では一般電球からLEDランプに切り替えることで、年間の電気代が2,883円程度安くなります。LEDランプは長寿命で、長く使うほどお得になることもメリットです。
※参考:環境省 「COOLCHOICE」
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/ledlight01.html (参照2023-02-21)
蛍光灯シーリングライトをLEDシーリングライトに交換すれば、約50%の省エネになるといわれています。LEDシーリングライトを使うことも電気代の節約に効果的です。
以下の場合を例として挙げます。
上記のケースではLEDシーリングライトは蛍光灯シーリングライトに比べ消費電力が少ないため、年間の電気代が2,108円程度安くなります。
また、シーリングライトの交換は一般的に手間がかかる作業ですが、LEDなら寿命の長いため頻繁に交換する必要がありません。
※参考:環境省「COOLCHOICE」
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/ledlight01.html(参照2023-02-21)
LEDの選び方における主なポイントは、ルーメン値を確認すること、使用する条件を確認することの2つです。それぞれ解説します。
白熱電球では明るさの目安をワット(W)で表示することが一般的ですが、LED電球ではルーメン値が採用されています。
LEDランプの適用目安は以下のとおりです。
口金E26の一般電球 | 電球型LEDランプ |
---|---|
20形 | 170ルーメン以上 |
30形 | 325ルーメン以上 |
40形 | 485ルーメン以上 |
60形 | 810ルーメン以上 |
口金E17の小型電球 | 電球型LEDランプ |
---|---|
25形 | 230ルーメン以上 |
40形 | 440ルーメン以上 |
LEDシーリングライトの適用目安は以下のとおりです。
部屋の広さ | LEDシーリングライト |
---|---|
4.5畳まで | 2,200〜3,200ルーメン |
6畳まで | 2,700〜3,700ルーメン |
8畳まで | 3,300〜4,300ルーメン |
10畳まで | 3,900〜4,900ルーメン |
12畳まで | 4,500〜5,500ルーメン |
14畳まで | 5,100〜6,100ルーメン |
LEDには調光対応タイプと断熱施工器具があり、どちらが適しているかは使用する条件に変わります。それぞれについて解説します。
調光可能なLED照明器具には、PWM方式や位相制御などさまざまな仕組みのものがあります。
調光をうまく機能させるためには、照明器具の仕組みにもよりますが、例えば電源の周波数にあわせて電球のオンオフを素早く繰り返すといった特殊な制御が必要です。
調光可能な照明器具に通常のLED電球を取り付けてしまうと、電子回路に負担がかかり短寿命や破損、発煙などの原因となります。
ただし、リモコンで調光できるタイプのLED電球は反対に調光機能がない照明器具で使うことが想定されているため、使い分けには注意が必要です。
建物によっては省エネや防音のため、天井に断熱材が敷き詰められている場合があります。
断熱材によって熱がこもりやすい環境下では、照明器具内が高温になりやすく火災の原因となります。またLED電球は熱に弱く劣化しやすいため、周囲の温度を高くなりすぎないようにすることが必要です。
高温になりやすい環境でも取り付け可能な照明器具を断熱施工器具といいます。断熱施工器具には(一社)日本照明工業会による、JIL5002のマークが付けられています。
断熱施工器具には使用できるLEDと使用できないLEDが決められているため、カタログやパッケージで確認することが大切です。
LED電球の大手4メーカーであるパナソニック、東芝、シャープ、アイリスオーヤマの比較を紹介します。
パナソニックでは一体型LEDベースライト「iDシリーズ」、「sBシリーズ」を取り扱っています。
「iDシリーズ」は省エネ・高効率によって電力料金のコストダウンに役立つ一体型LEDベースライトです。幅広い設置環境や用途に対応する豊富なバリエーションがあります。
省エネタイプや映光色タイプ、高演出タイプなど、さまざまな種類があるため細かいニーズにも対応可能です。
「sBシリーズ」とは建築になじみやすい角型スリムデザインのLEDベースライトです。直付型と配線ダクトタイプがあります。ムラが出にくく、空間や天井面にも光が届く配光設計が特徴です。
東芝ではLED屋内照明器具やLED屋外照明器具を取り扱っています。
LED屋内照明器具にはLEDベースライト「TENQOOシリーズ」をはじめとし、ダウンライトやスポットライトなどさまざまな種類があります。
カメラ付きLED照明・ソリューションサービスは、LED照明と映像録画カメラを融合させた新しいコンセプト商品です。
照明器具とカメラが一体化しているため、設置手間が軽減でき明るく鮮明な画像を撮影できます。
東芝のLED屋外照明器具は景観に調和することが特徴です。LED投光器や街路灯、防犯灯、道路灯や歩道灯、屋外用防災照明、LED屋外用ライン器具などがあります。
シャープではモジュール形ベース照明「MMシリーズ」や、高天井照明を取り扱っています。
「MMシリーズ」は高度な省エネ性と美しいデザインを備え、スマートな光空間を演出可能です。ランニングコストを抑えられるため経済的で、シンプルかつシームレスなデザインが採用されています。はめ込み式なので施工が簡単なのも特徴です。
東芝の高天井照明には10,000ルーメン、15,000ルーメン、20,000ルーメン、30,000ルーメン、40,000ルーメンなど、さまざまな明るさのものがあります。
ビーム角については60度・90度・110度の3タイプ、電源は非調光と調光対応の2タイプ、灯具は一般仕様と低消費電力形の2タイプがあり、ニーズにあわせて選べます。
アイリスオーヤマではLED一体型ベースライト「ラインルクスシリーズ」をはじめとし、LEDのダウンライトや高天井照明、道路灯、庭園灯、スポットライトや防犯灯、非常灯や誘導灯、シーリングライトやベースライト、間接照明、投光器、看板照明、ペンダントライトなどを取り扱っています。
「ラインルクスシリーズ」は最大190ルーメンを誇るLX-F190、最大180ルーメンのLX-F180、最大175ルーメンのLX-F175の3タイプです。
直付型、埋込型、トラフ型の3タイプから選択でき、幅も多彩に用意されているためニーズにあわせられます。端まで光るLEDユニットが採用されており調光機能も備えています。
節電のためにはLEDの設計性能を比較した省エネ対策も必要です。
例えば、LEDの照明器具にはシーリングライトとペンダントライトの、2つの異なる形状のものがあります。
シーリングライトは一般的に、広域を明るくしたい場合に使用されます。天井に取り付けるため室内がすっきりして見え、高い位置から照らすため部屋全体が明るくなります。
ペンダントライトは部屋にアクセントをつけたい場合や、デザイン性が求められる場合に設置されることが一般的です。ライトの位置が低く、1点を集中して照らす性質があります。
広い部屋をペンダントライトで明るくしたい場合は、電球の数が多い照明器具を選ぶのも一つの手です。また、天井にダクトレールを取り付け、複数のペンダントライトをダクトレールに吊るすのも良いでしょう。
室内の照明は明る過ぎても暗過ぎても、電気代の無駄につながってしまいます。LEDの設計性能を比較し、シーリングライトとペンダントライトを部屋によって使い分けることが省エネ対策に役立ちます。
LEDを導入すると節電でき、電気代やCO2の削減につながります。LEDは消費電力が少なく寿命が長いためコストダウンに有効です。LEDを選ぶ際はルーメン値や使用条件をあらかじめ確認しておくことが大切です。
LED電球の大手4大メーカーであるパナソニック、東芝、シャープ、アイリスオーヤマでは、さまざまなタイプのものを取り扱っているため、企業のニーズにあったものを選びやすいでしょう。
LEDはただ導入するだけでなく、適した設計性能のものをきちんと選択することで、さらに省エネにつなげられます。
地球規模で取り組まなければいけない環境対策に力を入れているのが、伊藤忠エネクスです。太陽光発電以外にも、ESGやLED照明に関して、様々な取り組みを行っています。この機会に、ぜひ検討してみませんか?
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