デマンドコントローラーとは? 高圧電力の電気料金を効率的に削減する方法をご紹介!

デマンドコントローラーとは? 高圧電力の電気料金を効率的に削減する方法をご紹介!

伊藤忠エネクス メディア編集部

伊藤忠エネクスは1961年の創業以来 「 社会とくらしのパートナー」として 全国各地の地域に根ざし生活に欠かせないエネルギーをお届けしてまいりました。 老舗エネルギー商社ならではの情報を発信します。

高圧電力を契約している企業のオフィスや工場では、空調や照明、各種設備などさまざまな機器を使用しており、毎日多くの電力を消費していると思います。毎月の支出の中でも一定の割合を電気料金が占めており、昨今の電気料金の値上げが利益を圧迫しているという企業も多いのではないでしょうか。

電気料金の削減にはもちろん節電が有効ですが、もっと効率的に電気料金を削減できる可能性があるのが、デマンド値の抑制です。

本記事では、小口高圧電力を契約している企業のご担当者の方へ向けて、効率的に電気料金を削減するカギとなるデマンド値とデマンドコントローラーについて詳しく解説します。これまでデマンド値を気にしてこなかったという企業であれば、年間で数十万円の削減につながる可能性がありますので、電気料金の削減方法を模索している企業のご担当者さまは、ぜひ、参考にしてみてください。

※本記事の内容は2024年5月時点の情報です

高圧電力の基本料金はデマンド値で決まる

50kW以上500kW未満の小口高圧電力を契約している場合、電気料金は以下の計算式で算出されます。

  • 高圧電力の電気料金 = 基本料金 + 電力量料金 + 燃料費調整額 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)

各料金の計算方法や概要は、以下の通りです。

高圧電力の電気料金の内訳概要
基本料金基本料金単価 × 契約電力 × 力率割引および割増
毎月発生する固定料金で、仮に電気を使用しない月があっても必ず支払わなければならないもの
電力量料金電力量料金単価 × 使用電力量
実際に使用した電力量に応じて支払うもの
燃料費調整額燃料費調整単価 × 使用電力量
発電に必要な燃料の調達価格が反映されたもの
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)再エネ賦課金 × 使用電力量
電力会社が「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」で再エネ由来の電力を買い取る際に要する費用を電気料金に反映するもので、全ての需要家が支払わなければならない

小口高圧電力の電気料金は、基本料金の「契約電力」の決まり方が低圧電力や他の高圧電力と異なります。契約電力は低圧電力であればブレーカーの容量によって、大口高圧電力や特別高圧電力であれば需要家と電力会社が話し合って決めるのが一般的ですが、小口高圧電力の場合は、当月を含む直近1年間の「最大需要電力(最大デマンド値)」に基づいて決まります。最大需要電力とは、30分ごとの平均使用電力である「デマンド値」のうち、1カ月の中で最も大きい値のことです。

高圧電力の場合、契約電力の上限を超えてしまったとしても、電気を止められることはありません。しかし上限を超えた分、当月以降の契約電力が上がり、電気料金が高くなってしまいます。

例えば7月に電気の利用を開始し、7月の最大需要電力が300kWだった場合、8月の最大需要電力が250kWでも300kWが契約電力となります。しかし、8月の最大需要電力が400kWになってしまうと、8月の契約電力は400kWに上がります。以降は最大需要電力が400kWを超えなければ、翌年7月まで400kWが契約電力として適用されます。

デマンド値は30分単位なので、たった30分でも最大需要電力が上がってしまうと、以降1年間はその値が契約電力として適用されてしまいます。先ほどの例を東京電力EPの市場調整ゼロプランでシミュレーションしてみましょう。市場調整ゼロプランの基本料金は1,990円/kWなので、契約電力300kWの場合の基本料金は1カ月当たり597,000円、契約電力400kWの場合の基本料金は1カ月当たり796,000円となります。つまり、契約電力が300kWの場合と400kWの場合では、1カ月当たり199,000円、1年間では2,388,000円も電気料金に差が出てしまうのです。たった数kWの差でも1カ月当たり数万円〜数十万円、1年では数十万円〜数百万円も電気料金に差が生まれてしまうので、電気の使用を1日の中で上手く分散し、使用電力量は同じでも、デマンド値が上がらないようにするのが、小口高圧電力では重要なのです。

※参考:東京電力エナジーパートナー. 「特別高圧・高圧のお客さま向けの新しい電気料金プランについて」. https://www.tepco.co.jp/ep/corporate/plan_h/minaoshi_2024plan.html , (2024-05-28).

デマンドコントローラーとは?

デマンドコントローラーは、リアルタイムでデマンド値を監視し、主に接続された空調を自動制御する機器です。デマンド値が事前に設定した値に近づくと空調の温度を自動調整し、デマンド値が上がらないようにします。自動制御なので調整の手間がかからず、効率良くデマンド値を抑えることができます。

デマンドコントローラーとデマンド監視装置の違い

デマンド値を見える化する機器には、デマンドコントローラーの他に、デマンド監視装置もあります。デマンド監視装置もリアルタイムでデマンド値を確認できるもので、デマンド値が事前に設定した値に近づくと、モニター表示やランプ、メールなどで知らせてくれます。2つの機器の違いは、その後の電力の調整を自動で行えるかどうかです。先述した通り、デマンドコントローラーは、自動で空調の温度を調整してくれますが、デマンド監視装置はあくまでアラートのみなので、人の手で空調を弱める、稼働を停止できる設備の電源を切るといった対応が必要になります。

繰り返しになりますが、デマンドコントローラーで制御できるのは主に空調なので、規模の大きなオフィスや工場で多数の空調機器を使用している企業にはデマンドコントローラーがおすすめです。

一方、小規模~中規模のオフィスや工場であれば、デマンド監視装置で十分にデマンド値を抑えられるでしょう。なお、デマンド監視装置を導入する際には、アラートが出た際に迅速に対応できるよう、「誰が、どの機器を調整するか」を決めておくことが大切です。

伊藤忠エネクスのデマンドコントローラー

伊藤忠エネクスでは、空調設備に特化したデマンドコントローラー「Ai-Glies」を提供しています。Ai-Gliesは室外機に制御器を設置し、気候や温度に合わせて出力調整を行います。外気が暑すぎたり寒すぎたりした場合は冷暖房をしっかり作動させる一方で、それ以外の場合は出力を抑えて消費電力を減らすため、効率的に節電・デマンド値の制御をしながらも快適な室内環境を保てるでしょう。

ブラウザからどこにいてもデマンド値をチェックできる他、制御設定も適宜変更できます。基本的に空調は自動でコントロールされますが、室内が暑すぎたり寒すぎたりする場合は、温度を手動調整することも可能です。

また制御器は無線+ソーラー給電の仕組みを採用しており、配線の必要がないので導入コストも抑えられます。「基本料金を抑えたい」「デマンドコントローラーを低コストで導入したい」という企業のご担当者さまは、ぜひお気軽に伊藤忠エネクスにお問い合わせください。

デマンドコントローラーに関するお問い合わせ

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

その他企業の電気料金の削減につながる伊藤忠エネクスの電力関連サービス

伊藤忠エネクスでは、デマンドコントローラー以外にも、企業の電気料金削減につながるさまざまなサービスを提供しています。電気料金の削減に悩んでいる企業のご担当者さまは、デマンドコントローラーと併せて検討してみてください。

  • TERASELでんき for Biz
  • キュービクル保安サービス
  • TERASELソーラー
  • 省エネルギー商材斡旋サービス

TERASELでんき for Biz

伊藤忠エネクスでは、法人向け電力販売サービス「TERASELでんき for Biz」を提供しています。グループ会社を通じて全国19カ所に発電所を保有しており、安定した電力供給を実現しています。

お客さまに合わせた「オーダーメイド式プラン」を採用しているのも、TERASELでんき for Bizの特長です。お客さまの業界や事業規模、電気の使用状況に合わせて、適切なプランをご提案しており、電気料金の平均削減率8.1%(/拠点)という実績もあります。

また夏と冬にはデマンドレスポンス(節電プログラム)を実施しており、対象の時間帯に1kWh以上節電すると電気料金が割引になります。先述したデマンド監視装置「Ai-Glies」と合わせてTERASELでんき for Bizをご利用いただければ、より電気料金を削減できるでしょう。

キュービクル保安サービス

高圧電力を利用する際には、受電や変電などを行うキュービクルの設置が必須です。キュービクルの設置・運用をする際には、電気主任技術者による保安管理業務が義務付けられており、ほとんどの企業が外部の技術者へ委託をしていることでしょう。

近年、電気主任技術者の減少により、保安管理手数料も値上げの傾向にありますが、委託先を変更することで安くできる可能性があります。保安管理手数料を少しでも安くしたいとお考えの企業は、伊藤忠エネクスの電気保安業務仲介サービスをご検討ください。キュービクルが設置されているエリアや予算、ニーズに応じて、適切な外部委託先をご提案します。

TERASELソーラー

伊藤忠エネクスのTERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)は、お客さまの施設に太陽光発電システムを設置し、発電した電気を自家消費していただくサービスです。契約期間中は、定額エネルギーサービス料(設備利用料、メンテナンス費など)をお支払いいただき、契約期間後は月額サービス料なしで、設置した太陽光発電システムはそのまま継続してご使用いただけます。

昨今は電気料金が値上がりしているため、十分に発電できる環境であれば、自家消費型太陽光発電の導入のメリットは大きいです。電気料金を削減できる他、脱炭素化・温室効果ガスの排出量削減にも寄与できます。環境問題への取り組みを大きくアピールしたい場合は、TERASELでんき for Bizと併せてご契約いただくことで、使用電力を100%再生可能エネルギーにすることも可能です。

TERASELソーラー(自家消費型太陽光発電システム)

03-4233-8041 平日9:00〜17:30

伊藤忠エネクスの省エネ機器斡旋サービス

節電で電気料金を削減するなら、小まめに電源を切るよりも、空調や照明などの設備を、省エネ機器に変更する方が効率的でおすすめです。

伊藤忠エネクスでは省エネルギー(省エネ)商材の斡旋サービスを提供しており、初期費用ゼロで最新の省エネ設備を導入することができます。月額サービス料はかかるものの消費電力を抑えられるため、トータルで考えるとコストダウンにつながります。

また省エネ機器の導入6年目からは月額サービス料もかかりません。導入した省エネ機器はお客さまのものになるので、さらなるコスト削減が可能です。

まとめ

電気料金を削減するというと、節電を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、小口高圧電力を契約している場合は、1日の中で電気の使用を上手く分散し、特定の30分間に集中しないようにすることも大切です。デマンドコントローラーやデマンド監視装置を使えば、いつでもデマンド値を把握でき、効率的に制御することができます。

特に企業においては、空調の使用電力が多い傾向にあるため、空調を制御すれば効率的にデマンド値を抑えることができます。空調の自動制御によってデマンド値を抑制するなら、

伊藤忠エネクスが提供しているデマンド監視装置「Ai-Glies」の導入をご検討ください。気候や気温に応じて適切な室温を維持するため、快適な室内環境を保ちつつも、効率的に消費電力の削減・デマンド値の抑制をすることができます。

その他にも伊藤忠エネクスでは、電気料金を削減できるさまざまなサービスを展開しています。電気料金や電気の使用に伴う管理業務の工数を削減したい方は、お気軽に伊藤忠エネクスにご相談ください。

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