中国電力の高圧・特別高圧向け燃料費調整額とは?仕組みと2026年最新動向を解説

中国電力の高圧・特別高圧向け燃料費調整額とは?仕組みと2026年最新動向を解説

伊藤忠エネクス メディア編集部

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この記事でわかること

  • 中国電力の燃料費等調整単価を構成する「燃料費調整」「市場価格調整」「離島ユニバーサルサービス調整」の3項目の違いと計算の仕組み
  • 2025年4月1日の見直しで、基準燃料価格・基準市場価格・参照価格がどう変わったか
  • 法人が請求書や公表単価表を見る際に押さえるべき実務ポイント
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中国電力エリアで高圧・特別高圧の電力契約を管理する方にとって、毎月の請求書に記載される「燃料費等調整額」の変動は、電力コストの見通しに影響する重要項目です。契約電力300kW・月間使用量7.5万kWhの事業所では、燃料費等調整単価が1円/kWh動くと、年間で約90万円の差になります。2025年4月1日には、高圧・特別高圧の標準料金メニュー見直しに伴い、基準燃料価格・基準市場価格などの算定諸元が見直され、電力量料金単価も原則一律0.30円/kWh引き下げられました。本記事では、中国電力の燃料費等調整額を構成する3つの調整項目の仕組みと、2026年時点で確認できる実務上のポイントを整理します。

※参考:中国電力「高圧・特別高圧部門の標準料金メニューの見直しについて」
https://www.energia.co.jp/assets/press/2024/p20240926-1a.pdf

※本記事は2026年3月時点の情報です。

燃料費等調整額の基本──3つの調整項目と計算の仕組み

中国電力の高圧・特別高圧向け「燃料費等調整単価」は、主に以下の3項目で構成されています。中国電力は法人向けページで、燃料費等調整制度が「燃料費調整制度」「市場価格調整制度」「離島ユニバーサルサービス調整制度」の3つで構成されると案内しています。

調整項目変動要因概要
燃料費調整単価原油・LNG・石炭の価格火力発電に用いる燃料価格の変動を反映
市場価格調整単価電力市場価格卸電力市場等からの調達価格の変動を反映
離島ユニバーサルサービス調整単価離島供給に係る燃料価格離島供給に係る燃料価格変動を反映

燃料費等調整単価 = 燃料費調整単価 + 市場価格調整単価 + 離島ユニバーサルサービス調整単価

請求書上では、この合算単価に月間使用量(kWh)を掛けた金額が、燃料費等調整額として反映されます。なお、他社契約と比較する際は、同じ「燃調」でも算定ルールが同一とは限りませんので注意が必要です。

燃料費調整の考え方

燃料費調整は、原油・LNG・石炭の価格変動を、あらかじめ定めたルールで毎月の電気料金に反映する仕組みです。2025年4月1日の見直し後、中国電力の高圧・特別高圧向け基準燃料価格は41,900円/klです。

  • 平均燃料価格が基準燃料価格を上回る場合: プラス調整(電気料金が上がる)
  • 平均燃料価格が基準燃料価格を下回る場合: マイナス調整(電気料金が下がる)

市場価格調整の考え方

市場価格調整は、FIT制度に基づく調達分や、卸電力取引所からの調達に係る市場価格の変動を反映する仕組みです。中国電力の2025年4月1日見直しでは、市場価格調整の参照価格が「回避可能原価」から「中国エリアプライス」に変わり、基準市場価格は20.81円/kWhから9.45円/kWhへ見直されました。

2026年1月分の中国電力公表単価表では、燃料費等調整単価(税込)は高圧が▲1.48円/kWh、特別高圧が▲1.46円/kWhです。内訳は、高圧が基準燃料費調整単価▲1.65円、離島ユニバーサルサービス調整単価▲0.01円、市場価格調整単価0.18円、特別高圧が基準燃料費調整単価▲1.62円、離島ユニバーサルサービス調整単価▲0.01円、市場価格調整単価0.17円でした。

※参考:中国電力「燃料費等調整制度のご案内〔法人のお客さま・中国電力エリア〕」
https://www.energia.co.jp/elec/seido/nencho/index_d.html

※参考:中国電力「燃料費等調整単価表(2026年1月分)」
https://www.energia.co.jp/elec/pdf/price1-2026-01.pdf

離島ユニバーサルサービス調整額とは?

離島ユニバーサルサービス調整は、離島供給に係る燃料価格の変動を、託送供給等約款で定められたルールにより電気料金へ反映する仕組みです。中国電力の法人向け案内でも、燃料費等調整制度の一要素として位置付けられています。

2026年1月分の公表単価表では、離島ユニバーサルサービス調整単価は高圧・特別高圧ともに▲0.01円/kWhでした。燃料費調整単価や市場価格調整単価と比べると金額規模は小さい月が多いものの、ゼロではなく、毎月の合算単価の一部として反映されます。 

※参考:中国電力ネットワーク「離島ユニバーサルサービス調整単価(過年度分」

https://www.energia.co.jp/nw/service/retailer/consign/pricelist/result.html

算定期間とタイムラグ──いつの数値が反映されるか

中国電力の単価表を見ると、2026年1月分料金には、平均燃料価格算定期間として2025年8月~10月、平均市場価格算定期間として同じく2025年8月~10月の数値が使われています。つまり、当月の原油・LNG・石炭価格やJEPX価格がそのまま当月請求に乗るのではなく、一定のタイムラグを伴って反映されます。

この構造には実務上2つの意味があります。
1つ目は、燃料価格や市場価格が急変しても請求額への反映が即時ではないことです。
2つ目は、翌月や翌四半期の概算を立てる際に、公表済みの平均燃料価格や平均市場価格を先行指標として使いやすいことです。請求見込みを作る際は、直近の中国電力公表単価表を継続的に確認するのが実務的です。 

2025年4月1日の制度見直し──何が変わったのか

チェックポイント

中国電力は2024年9月26日、2025年4月1日から高圧・特別高圧の標準料金メニューを見直すと公表しました。主な変更点は、電力量料金単価の原則一律0.30円/kWh引き下げと、燃料費等調整額の算定諸元見直しです。 

見直しの全体像

見直し項目旧(〜2025年3月)新(2025年4月〜)
基準燃料価格75,400円/kl41,900円/kl
基準市場価格20.81円/kWh9.45円/kWh
市場価格の算定ベース回避可能原価中国エリアプライス
電力量料金単価従来の単価原則一律 ▲0.3円/kWh

※参考:中国電力「高圧・特別高圧部門の標準料金メニューの見直しについて」
https://www.energia.co.jp/assets/press/2024/p20240926-1a.pdf

1円/kWhの変動インパクト

前提を「契約電力300kW、月間使用量75,000kWh」とすると、燃料費等調整単価が1円/kWh動けば、月額75,000円、年間900,000円の差になります。
計算式:75,000kWh × 1円/kWh × 12か月 = 900,000円

この試算自体は単純計算ですが、予算策定時にインパクト感を把握する目安としては有効です。

「値下げ」と「変動しやすさ」は分けて見るべき

今回の見直しは、電力量料金単価の引き下げという意味では値下げ要素があります。一方で、基準燃料価格や基準市場価格が見直され、参照価格も中国エリアプライスに変わったため、燃料費等調整額の動き方そのものは従来と異なります。中国電力自身も、燃料価格や市場価格の変動をより適切に料金へ反映させる観点から算定諸元を見直すと説明しています。したがって、請求総額については「単価引下げ」と「毎月の調整額変動」を分けて確認するのが適切です。 

島根原発2号機再稼働の影響

中国電力は、2024年12月23日に島根原子力発電所2号機(定格電気出力82万kW)の発電機並列、すなわち発電再開を公表し、2025年1月10日に営業運転再開予定としていました。さらに、2025年4月1日からの標準料金メニュー見直し公表では、卸電力取引市場価格の低下等に加え、同号機の再稼働により電源調達コスト低下が見込まれることを、電力量料金単価引下げの理由として挙げています。

ただし、島根原発2号機の再稼働が、毎月の燃料費等調整額を直接一対一で押し下げるとまで言い切るのは適切ではありません。実務上は、標準料金メニュー見直し全体の一要因として理解するのが安全です。

※参考:中国電力「島根原子力発電所2号機の発電機並列(再稼働)について
https://www.energia.co.jp/atom_info/press/2024/15694.html

市場価格調整額の変動を左右する中国エリアのJEPX特性と調達戦略

2025年4月1日以降、市場価格調整は中国エリアプライスを参照する仕組みに変わっています。そのため、法人の実務では、まず自社の請求単価がどの程度この市場価格調整の影響を受けているかを、月次の公表単価表で確認するのが基本です。

たとえば2026年1月分単価表では、平均市場価格算定期間は2025年8月~10月、平均市場価格は10.12円/kWh、基準市場価格は9.45円/kWhでした。したがって、この月は市場価格調整単価が高圧0.18円/kWh、特別高圧0.17円/kWhの加算要素になっています。

法人の電力調達で確認したいポイントは、次の3点です。
・過去12か月分の燃料費等調整単価の推移を並べ、年間変動幅を把握する
・市場価格調整単価がプラス要因なのかマイナス要因なのかを月ごとに確認する
・複数の電力会社から、燃料費等調整を含む実効単価ベースで見積もりを取る

中国電力の公式案内でも、燃料価格等の電気料金への反映方法は小売電気事業者ごとに異なるとされています。したがって、見積比較では「基本料金が安いか」だけでなく、「燃調込みの総額がどうなるか」を見る必要があります。

※参考:中国電力「燃料費等調整単価表(2026年1月分)」
https://www.energia.co.jp/elec/pdf/price1-2026-01.pdf

中国電力の燃料費調整額に関するよくある質問

担当者がよく聞く疑問

Q1. 高圧と特別高圧で燃料費等調整単価は異なりますか?

異なります。2026年1月分では、高圧が▲1.48円/kWh、特別高圧が▲1.46円/kWhでした。中国電力の単価表では、燃料費調整単価・市場価格調整単価の水準が高圧と特別高圧でわずかに異なっています。 

Q2. 中国電力の2026年の政府支援は高圧・特別高圧のどちらも対象ですか?

対象は低圧と高圧で、特別高圧は対象外です。中国電力は2025年12月公表資料で、2026年2月分から4月分の電気料金について、低圧および高圧のお客さまを対象に特別措置を実施すると案内しています。特別高圧は対象外とされています。なお、高圧の値引き単価は、確認できる公表資料上、2026年3月分が▲2.30円/kWh、2026年4月分が▲0.80円/kWhです。

※参考:中国電力「電気・ガス料金支援の実施に係る電気料金の特別措置について」
https://www.energia.co.jp/press/2025/16234.html

※参考:中国電力「電気・ガス料金支援の実施に係る電気料金の特別措置について)」
https://www.energia.co.jp/elec/pdf/20251205_tokubetsusochi.pdf

Q3. 検針票でどこを見れば燃料費等調整額がわかりますか?

燃料費等調整額は請求書・検針票で確認できますが、燃料費調整・市場価格調整・離島ユニバーサルサービス調整の各内訳確認には、中国電力の毎月の公表単価表を併せて見るのが確実です。本記事で引用した2026年1月分単価表のように、各内訳が明示されています。 

Q4. 燃料費等調整単価がプラスに転じることはありますか?

あり得ます。2025年4月1日以降の基準燃料価格は41,900円/kl、基準市場価格は9.45円/kWhです。平均燃料価格や平均市場価格がこれらを上回る月は、燃料費調整・市場価格調整がプラス方向に働く可能性があります。実際、中国電力の単価表でも市場価格調整単価がプラスとなる月があります。 

まとめ

中国電力の高圧・特別高圧向け燃料費等調整額は、「燃料費調整」「市場価格調整」「離島ユニバーサルサービス調整」の3要素で構成されます。2025年4月1日の見直しでは、基準燃料価格が75,400円/klから41,900円/klへ、基準市場価格が20.81円/kWhから9.45円/kWhへ見直され、市場価格調整の参照価格も回避可能原価から中国エリアプライスへ変更されました。あわせて、電力量料金単価は原則一律0.30円/kWh引き下げられています。 

今日から取れる3つのアクション:

  1. 過去12か月分の請求書を並べ、燃料費等調整単価の年間変動幅を確認する
  2. 中国電力の毎月の単価表で、燃料費調整・市場価格調整・離島ユニバーサルサービス調整の内訳を見る
  3. 他社見積もりは、基本料金や電力量料金だけでなく、燃料費等調整を含めた実効単価で比較する

以下に該当する場合は、早急な電力調達の見直しを検討する価値があります。

  • 燃料費等調整額の年間変動幅が180万円(目安)を超えている
  • 現在の契約が中国電力の標準メニューのままで、見直しを3年以上行っていない
  • 契約電力が300kW以上で、電力コストが経営上の重要課題になっている

電力調達の見直しは設備投資と異なり、初期費用なしで着手できます。施設管理部門・総務部門・経理部門の担当者が協力して検針票データを整理した上で、専門の電力サービス会社に相談するのが効率的です。

ある製造工場の電力担当者さまは、電気料金の上昇局面で「使用量が増えたのか、燃料費等調整額の影響なのか切り分けられない」と悩まれていました。弊社では、請求書や使用実績をもとに要因を整理したことで、どの部分が変動要因なのかが見えやすくなり、その後の見直し検討も進めやすくなったという声をいただいています。

伊藤忠エネクスの「TERASELでんき for Biz.」では、法人の電力使用パターンに応じた料金プランを提案しています。中国エリアの電力市場特性を踏まえた最適な電力調達の検討材料として、まずは現在の電力契約書と直近12か月分の検針票をお手元にご用意の上、お気軽にお問い合わせください。

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※掲載内容は2026年3月時点の情報です。最新の料金・制度については中国電力および関係機関の公式サイトでご確認ください。

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